2009年 08月 28日

夏の残光、未知の川への旅。

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桂川、利根川、魚野川。初夏からの本流を転戦したものの、結局尺ヤマメには出会うことが出来なかった。タイムリミットはもう2ヶ月を切っていた。毎年必ず手にしている尺ヤマメをこのまま手にすることが出来ずに今シーズンを終了することになるのか。そのような焦りが晩夏の東北、岩手へと足を向かわせた。

とは言っても自分自身、東北は初挑戦であり、事前の情報もほとんど無いままの出発となってしまった。7日間、車中泊をしながら可能な限り多くの河川を巡ろう。岩手の地図を見れば川は無数にある。事前情報が無いのは何も今回に限った事ではなく、毎回の事なのだから、いつも通りの釣りをすれば良いわけである。



8月22日 Day1-閉伊川本流、薬師川

d0000101_20114015.jpg金曜の夜中に東北道を走り、盛岡に着いたのは6時を過ぎた頃だった。そこからさらに車を走らせ、閉伊川へと国道を向かう。区界峠を抜ける頃になると、気温はぐっと下がり、右手に閉伊川本流が見えてきた。適当な場所に駐車して川を見ると、いかにも、といったポイントが続いている。しかしヤマメを狙うならさらに下流へ行った方が良さそうだ。

途中の道の駅でウェーダーを履き、準備を終えて、小国川との合流点より少し上流の、ゴルジュが続くエリアへ入った。周りには釣人の姿は見えない。川幅から考えて6.4フィートのロッドに2500番のリールをセットし、5センチのシンキングミノーを付ける。瀬続きの良さそうな場所だけに期待が高まる。

開始してすぐ、1,2投目だったと思う。20センチほどのヤマメがヒットした。記念すべき1尾な上に、あっさりと釣れてしまったのはいささか驚きであった。が、そう思っているのも束の間、瀬から次々とヤマメがヒットしてくる。適当に入ったポイントにもかかわらず、この釣れ方は凄い。岩手の川はみんなこんな感じなのか?サイズは小さいながらも、10匹近くヒットさせて、最初のポイントから上がった。

時間は9時を回ったぐらいである。関東のこの時期の川ならとうに釣れない時間に入っているところだが、やはり水温が低いのが関係していて、プライムタイムが長いのかもしれない。結局、11時頃まで本流の表層でヤマメはヒットしていた。

午後になり、さすがに本流の魚の反応も薄れてきたところで、支流である小国川のまた支流の薬師川へと入ってみることにした。この川は早池峰山から流れる川ということで、水量・水温が安定しているという。中流の集落から入渓できそうな場所を探して入ってみると、イワナが出そうな渓相が広がっていた。ロッドは5.1フィートに持ち替えて、小さなスポットを打っていく。が、予想とは反してここでもヤマメが活発にミノーを追った。

どうやらまだここはヤマメ域のようだ。それにしても支流というのに魚影が濃い。渓相もさることながら魚のコンディションも抜群で、サイズは20センチ程度だったが、手ならしにはもってこいの場所だった。葦際を通していると、不意に上流から40センチほどはあろう魚影がミノーを追った。結局食わせることは出来なかったが、その直後に25センチほどのイワナが出たところで日も暮れかかってきたので、川から上がることにした。

初日から満足出来る釣果である。川のポテンシャル自体が高いということを痛感した。幸先の良いスタートであった。


8月23日 Day2-閉伊川本流、安家川

1日目の夜は閉伊川沿いを宮古まで下って、宮古の道の駅で車中泊した。岩手はこうした道の駅が多いので車中泊にはもってこいである。宿に泊まるよりも安上がりで済むし、何よりも朝一の良い時間から釣りを開始できるのが最大のメリットである。

さて、2日目は閉伊川の、昨日のエリアからさらに下流に下った本流からスタートした。というのも昨日の夕方に国道沿いのルアーショップでこのあたりでヤマメが出ているとの情報を得たからである。場所的にはヤマメも釣れそうだが、サクラマスが留まりそうな場所がいくつもあり、きっとシーズンが良ければサクラ狙いのアングラーで賑わっているだろうエリアだった。

ロッドも7.1フィートのいつもの本流タックルでダウンで流していると、時折バイトがある。しかし魚のサイズはそこまで大きくはなさそうで、せいぜい20センチ程度、といったところか。それよりも意外だったのは、本流の大場所よりも、分流のちょっとした小場所にも確実に魚が入っているところだ。おそらく普段は誰も攻めないのだろうが、桂川をはじめとする関東のフィールドに慣れてしまっている自分にはこういった場所も見逃せない。関東ならばこういった場所にすら魚はいないのに、この川は魚が着いてるのだ。

さて、下流も少し攻め飽きたところで、昨日のポイントへと入ってみることに。相変わらずヤマメの追いは活発だったが、川のアウトベンドの淵をディープダイバーで流すと、良型がヒットした。尺はなさそうだが、慎重にやり取りしてネットに収めると、27センチのヤマメであった。これは嬉しい一尾である。

このまま閉伊川で釣りを続けていても魚は釣れるだろう。が、それよりも他の川を見てみたい。そう思い、車に乗り込んだ。一旦、宮古まで出て、海岸の国道を北へ向かう。途中、何箇所かの単入河川を見下ろしながら、辿り着いたのは安家川であった。

d0000101_20162638.jpg安家川は川沿いに道が走っており、ときどき車を停めて川面を覗くと、すでに下流からヤマメの稚魚の魚影が見られた。しかし所々に釣人らしき車が停まっており、どうやら鮎を狙う人らしかった。ヤマメを狙うならさらに上流が良いかもしれない。ひたすら上流へと車を走らせ、ようやく駐車してある車がなくなってくる場所から開始することにした。流れに落差はあまりなく、いかにもヤマメの川、といった渓相である。ほどなくして20センチほどのヤマメがヒットし、幸先のよいスタートである。

川を上る途中の砂底に目を落とし、注意深く見て見ると・・・、いた。カワシンジュガイである。安家川といえばカワシンジュガイの繁殖地ということなのだが、この貝、幼生はヤマメなどのサケ科の魚の鰓に付着して移動する、ということだ。しばしロッドを置いて観察。

さて釣りの方は、というと、ここでも20センチ程度のヤマメが教科書どおりの場所からミノーを追うので、サイズは小さいとは言えども「狙って釣った」感があるため、楽しい。岩手でもやはり20センチ前後のヤマメがアベレージなのだろう。これを超えるサイズとなると、それなりの状況でないとヒットしない。ましてや尺を超えるヤマメとなれば・・・。

安家川を川沿いにひたすら上流まで上っていこうとしたのだが、流程が意外に長く、夕方も近づいていたため、川から上がった。さらに北へ上がり、明日は久慈川へと行ってみよう。途中で温泉を発見して入った後、久慈の道の駅で夜を過ごした。


8月24日 Day3-久慈川本支流、遠別川

大渕と瀬が連続する本流域を朝一で流す。が、魚の反応はいまいちだった。河口からそんなに上流へ来ているわけではないのだが、時折イワナがヒットするところをみると、水温は低く、標高も多少はありそうだった。

本流域ではあるが、ロッドを渓流用の5.1フィートで釣っていき、遡行不可能な大渕まで差し掛かってから車へと戻ることにした。少し下ると、支流が差し込んでいる場所に辿り着く。このまま車まで戻るのも良いが、折角渓流用のロッドを持っているので支流を昇ることにした。流れは細いが高低差があり、イワナが出そうな支流である。ちょっとした流れのたるみにミノーを通すと、ヒットしたのはヤマメ。まあここ二日間でこんな場所でもヤマメが釣れることに驚きはなくなった。

岩を登り、上流へ行くにしたがって遡行がし辛くなる。人もあまり入っていない様子だが、真上を国道が走っているので何とか退渓は出来そうなので、少し無理をして上っていく。辺りが木々に囲まれてシェードを作り出している区間を過ぎると、谷は開けて眼前に滝壺が現れた。

こういった水深のある場所は一級ポイントなのだが、昨日、一昨日の釣りからすると魚が入っていることは少なかった。そのため気軽に表層から攻めてみたが、反応はなかった。一応、ミノーをチェンジしてディープを攻めてみることにする。潜行させてからトゥイッチを掛ける。ふと上空を見ると、夏の空が青く透き通っていた。

その一瞬、殺気が消えたからかもしれない。気付くと手前までトレースしたミノーに魚が食っていた。しかも良型である。手前でのバイトだったがためにバラさないように、ショートロッドでいなす。寄せてきた魚体はイワナだった。ネットインすると、尺は優に超える見事な魚体だった。

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岩を登り、辿り着いた滝壺の深みから現れた33センチ。サイズもさることながら美しい魚体だった。



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何匹でもイワナが出てきそうな滝壺。


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2匹目は尺を欠ける細身の魚だった。



既に日は高く上り、太陽の光が差しているのにバイトしてきた。続いて尺を欠けるぐらいのイワナがまたしてもヒットし、しばし、バイトが続いた。ひょっとすると、一瞬の水温の上がり始めの良いタイミングで入れたのかもしれない。イワナと言えども尺オーバーが出たことには満足だった。魚体も綺麗で、このような魚を育む支流を持つ久慈川もなかなかのものである。

久慈川の本流をさらに登っていくと、遠別川に当たる。ここまで奥地に入って来たのだから、当然イワナの魚影が濃くなってくるのかと思いきや、ここもヤマメの魚影が濃かった。まあ川の渓相としては平瀬が続くような感じなので、ヤマメが好みそうな場所ではあるが、ここのヤマメは手強い。キャストは一撃で決め、しっかりとしたトレースコースを取らなければヒットには結びつかないだけに、高度な技術が要求される。慣れないロッドを駆使してキャストのタイミングなどを合わせていくのが難しく、なかなか良いスポットにキャストできないのだが、連れてくる魚は綺麗で、サイズ抜きにしても貴重な一尾である。

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遠別川のヤマメはミノーの追い方、姿かたちをとっても最もヤマメらしい魚だった。慣れないキャストでようやく手にした一尾だ。



普段は関東で釣りをしていると、ヤマメがこれだけ釣れる、ということも、そこまであるわけではないので、満足はしているのだが、やはりサイズが欲しい。昨日釣った27センチを凌駕する尺オーバーを求め、川を下ることにした。久慈川でも釣れないことは無いのだが、旅の序盤でもっと他の河川も見てみたい。そう思い、一気に南下し、陸前高田辿り着いたのは夜も9時近かった。明日はここを流れるスーパーヤマメの名川を釣ってみたいと思う。


8月25日 Day4-気仙川、猿ヶ石川

気仙川といえば、40センチを超えるスーパーヤマメの名川として知られているが、朝に見た本流はやはり減水しているような感じだった。チャンスは朝一だけと見て、瀬、大渕を探っていくのだが、スーパーヤマメはおろか、ヤマメの魚影も見られなかった。しかも平日だというのに釣り人が多い。岩手県といっても気仙川は宮城に近いだけあって、人も多く入るハイプレッシャー河川なのかもしれない。

なんとなく、本流は期待が薄そうなので、支流の、しかも国道から離れたところから入渓することにした。国道沿いに車を停めてすぐ下を流れる支流を見ると、どうもプールになっているらしい。水底にはヤマメやアユと思わしき魚が群れていたが、その中で一匹だけ、巨大な魚が水面近くを悠々と泳いでいるのを見た。一瞬、ニジマスかと思ったが、すぐに違うことが分かった。おそらくサクラマスだろう。60センチ近い。

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支流に差して来たサクラマスと思われる魚。



途中にダムが無いから支流まで差して来るのだろう。それであれば本流のスーパーヤマメも支流に差して来ていてもおかしくは無い。そう考えながら支流の入渓ポイントを探しながら川沿いの道を歩いていると、左の崖で何やらガサガサと音がした。ふと見ると、カモシカが崖にへばりつくようにこちらを伺っていた。急いでカメラを取り出して何枚か写真を撮ると、到底登れなさそうな崖を登っていってしまった。

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崖の方で音がすると思ったらカモシカがいた。音を聞いた瞬間、熊かと思って正直ビビった。



入れそうな場所から支流に入り、釣りあがっていくのだが、ここも魚影は薄く、2級ポイントからしか魚は出なかった。支流もこれだけ叩かれているのなら、川を変えたほうが良いのかもしれない。車に戻ってカーナビを見ると、遠野が近いようだった。遠野は2年前に訪れたことはあったのだが、その際には釣りはしていない。しかし、猿ヶ石川の重厚な流れはいかにも大型が潜んでいるような感じがして、今回の旅でも気にはなっていた川である。

遠野に着いたのは夕方近かった。遠野を流れる猿ヶ石川は葦に囲まれた砂の川だ。そのため入渓点は限られてしまう。何箇所かは入れそうな場所はあったが、得てして人が入りそうな場所は魚影が薄い。水深がある深瀬が多く、川通しに歩けない場所も多いため、入渓点を開拓できれば良型が期待できるかもしれない。

附馬牛付近の本流を見て周り、いつも通りの発想で入渓できそうなポイントを探す。一箇所、葦が薄い場所で何とか入っていけそうな場所があった。藪こぎをして何とか入川することに成功した。周りは葦に囲まれた、まるで迷路である。

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猿ヶ石川・附馬牛のヤマメ。このように砂とオレンジ色がかった石が多い川である。



前方には瀬が続いて、さらにその先は深瀬になっていた。深瀬をダウンで流していると、すぐに小型がヒットした。大岩が水中にあるので期待が出来そうである。さらに次の一投。岩の際を流していると、ティップが持っていかれるとともに、ドラグが鳴り、そしてバレた。デカそうだった・・・!姿は見えていないので何とも言えないが、明日も攻めてみる価値はありそうだ。

by pioneerfield | 2009-08-28 23:35 | ST Expedition | Trackback | Comments(4)
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Commented by でごんた at 2009-09-03 16:23 x
はじめまして!魚野川をホームリバーとしている地元民です。
昨年”魚野川”で検索してHITしてから、ROMさせて頂いています。

先日の記事で、”PEでのバラシの多さ”について書いていらっしゃいましたが、実はワタクシも今期途中よりPEにチェンジしてから同じく悩んでいます。
当初はフロロのリーダーを使用していたんですが、ライントラブルの多さとショック吸収の意味を含めて、先頃ナイロンリーダーに変更してみました。
変更後、大物がHITしませんので、効果は???ですが・・・。
pioneerfield様はどんなリーダーをお使いですか??
Commented by pioneerfield at 2009-09-03 22:12
はじめまして!コメントありがとうございます。
魚野川の近くにお住まいなんですね。うらやましい限りです。

PEのリーダーですが、僕の場合は本流用にはフロロ(バリバス・アヴァニエギングショックリーダー1.7号)を約70センチ、支流用にもフロロ(アクロン・フロロステルス3.5X(1.25号))を約2mの長さで使っています。一度本流でも長めにリーダーを取ってみたことがあるのですが、トラブルが多く、着水後のルアーのコントロールがし辛かったので今の長さに戻しました。近々、ナイロンも試してみようと思っていますよ。
Commented by でごんた at 2009-09-04 09:48 x
おはようございます!お返事ありがとうございます。
ほ~、やはりトラブルが多いですか!?
自分の場合、PEは”東レ シーバスPE”(初めてなので、試しに安いもので・・・(汗))を使用しており、フニャフニャのPEと張りの強いフロロの相性が悪く、リーダーを長く取るとガイドに絡むトラブルが多発してキャストもままならない状態でした。
ナイロンに変更後は2ヒロほどリーダーを取っていますが、殆どトラブルも起きずに快適にキャストできるようになりました。

魚野川は相変わらず減水状態でコロガケ師が多いですが、今朝は久々に泣き尺ヤマメをキャッチできました。
Commented by pioneerfield at 2009-09-05 01:40
こんばんは。

やはりガイドに絡むトラブルが多いですよね~
原因はPEにもあるみたいで、以前8本よりのPEを使っていましたが、
ガイドへの絡みが多発したので、多少コシのある4本よりに変えてみたところ絡みは激減しました。
今使っているダブルクロスは8本よりですが、コシがあって良いですね。
ガイドへの絡みはほとんど無いです。

今から山梨へ釣行です。


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