人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2010年 05月 15日

狩野川での出会い

5月中旬。この日、僕は行く場所に迷っていた。桂川の調子が最近良さそうだという話を聞いていたが、狩野川の本流域と支流の一部は5月19日までしか解禁していない。結局、今年通いこんで、これまでの釣行でなんとなく掴みかけてきている狩野川の方が期待が持てるかもしれない。そう考えて夜明け前の東名高速を西へと向かった。

ところで最近、狩野川に行くようになってからよくチェックしているブログがある。そのブログは狩野川の支流のほとりに住む、あるイラストレーターのブログで、釣果の情報はもちろん、釣りや魚に対する強い思いが綴られている。この方の描く魚は、何度も雑誌で見ているけれど、我々釣人が思い描く「一番格好良い状態の魚」が写実的に表現されている。


狩野川での出会い_d0000101_13564718.jpg

スタート直後の27センチ。これぐらいの魚でも満足なのだが・・・・



久しぶりに朝マズメに狩野川に到着して、支流の道路脇に車を停め、準備を始めた。本流からの遡上に期待し下流域に入って、ダウンクロスで流していくと、早速27センチほどのアマゴがヒットした。幅広で銀化した魚で、幸先の良いスタートを切った。ところどころに5,6センチ程度のアユが群れており、ポイントの雰囲気としては抜群だ。

下流には、この間、サツキマスと一瞬思わせられたウグイをキャッチした淵がある。この間よりも減水していて、流れは弱くなっていたが、とりあえずルアーを通してみることにした。表層では反応が無いため、さらにヘビーなミノーにチェンジして中層以下を通すと、ロッドに反応があった。

ロッドは6フィートを使っているので、ランディングには余裕があった。足元まで寄せて、ネットで掬うと、良いサイズのアマゴのようだった。


狩野川での出会い_d0000101_9375918.jpg

先日ウグイを釣った場所から、今度はアマゴが出た。31センチ。川鵜にやられたのか、尾鰭の一部が欠けていた。



アマゴをリリースした後、一度車まで戻ってから、別のポイントを見て回った後、もう一度朝のポイントに戻り、瀬を渡って対岸の下流をやってみようと思った。しかし、そこには既に車が停まっており、これから準備を始めて川へ降りて行こうとする釣人の姿があった。

向こうも僕に気付いたらしく、どちらともなく挨拶をしたのだけれど、僕は彼の姿には見覚えがあった。あのブログのイラストレーターに間違いなかった。僕は彼のブログをいつも見ていることを話すと、彼は「少し一緒に釣ろうか」と言った。

それから1,2時間、僕と彼はその支流で一緒に釣りをした。ポイントからポイントへの移動中、彼の車に乗せてくれて、とても気さくに色々な話をしていただいた。「自分は自分の知っているポイントを他人に秘密にしておくのは好きじゃない」と、惜しげもなくポイントを教えてくれる彼は、イラストレーターとして高名な方でもあったが、僕の目には一人の釣人として懐の深い人と映った。

結局、彼と釣りをしたポイントは、既に先行者に攻められていたのか、一匹の魚も釣れなかったけれど、僕にとってこれまでの釣りの中では無かった貴重な時間を過ごせた。最後に、僕が入ろうとしていた朝のポイントの下流を少し釣って、彼は本流へ、僕はさらに下流へ行くために、そこで別れた。

「釣りは趣味でやっていた方がいい。」そう言った彼は、これから先もこの川で釣り続けるだろう。この川で釣りをしてれば、またいつか会えるかもしれない。


狩野川での出会い_d0000101_1359131.jpg

午後は桂川の様子も見に行った。渇水でニジマス1匹しか釣れなかったが、藤の花が本流のいたるところで見られた。



Tackle
Rod:エキスパートカスタムボロンEXC-600ULX
Reel:カーディナル33
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.8号+リーダー1.5号
Lure:デンス50US, 蝦夷ファースト50SⅡ

by pioneerfield | 2010-05-15 23:42 | travel sketch


<< 南会津探釣記      浜通り放釣記 >>