2007年 06月 09日
さっき通った堰堤下では数匹のイワナが相手をしてくれたから、きっとこの先にも先行者はいないだろう。ならばあせる必要はないのだから、丁寧に遡っていくことにしよう。 ふと遡行する足を止めて辺りを見回すと、流水の音のの合間にハルゼミの鳴き声が聞こえ、ところどころにタニウツギの花が咲いていた。 早朝はこの川の中流を釣ったが、イワナの反応は良くなかった。そこで、早々に切り上げて、先行者が入らないうちに上流域に行ってみることにした。途中でよく立ち寄る支流へ入ってみたが、既に誰かが入った後だったらしく、魚のチェイスは見えなかった。そこで、林道を走ってさらに上流へ行くことにした。ここから先は道がないので、先行者がいなければ、入渓点から先は自分の領域となる。幸い駐車スペースには車がなく、最初の淵でイワナの反応もあった。 高低差が激しいと遡行に苦戦するが、釣り自体も面白くなってくる。狙うスポットに正確にキャストして魚を引き出してくる感覚は、釣りというよりも狩りといった感じだ。一投一投に緊張が走る。それに応えてイワナが出てくるのだから、どこまでも遡り続けたくなってくる。 しばらく行くと、目の前に滝が現れた。その上も上れないこともないが、さらに高低差がきつくなってくるし、攻められるスポットが少なくなってきたので、下ることにした。尺には満たないが良いイワナが出たことだし、何より山岳渓流の釣りを久しぶりに楽しめたことで満足がいっていた。 午後は今まで行ったことのない場所を廻ろう。まずは本流の上流域に入ってみる。魚野川の本流域は放流が行き届いているせいか、ヤマメの稚魚がそこかしこで見られる。水深のあまりない瀬が中心の場所を釣り下っていくと、早速ヤマメの反応があった。キャッチした一尾は幅広な魚体で、雪代の中で育った力強い引きを見せた。何度か同サイズのヤマメがアタックしてきたが、ハリ掛かりが浅く、バレてしまった。この周辺の本流はイワナとヤマメが混生しているが、やはりこのような流れにはヤマメが定位している。午前中の山岳渓流の釣りとは違って、広範囲を攻めていく必要がある。イワナは点で、ヤマメは線で釣るとはこのことである。 夕方に差し掛かって、下流部の支流を廻ったあと、再び本流へ入った。下流域は川幅が広く、一見どこを攻めてよいのか分からなくなる。どうもこういった場所は苦手意識がある。しかし、釣り始めてしばらくすると、流心脇のヨレをミノーが通ったときに明確なバイトがあった。反射的にフッキングすると、小気味よい引きとジャンプを見せる。どうやらニジマスのようだ。サイズは30センチにも満たないが、本流の太い流れの中で掛けるのが面白いのだ。こうしてみると本流も捨てがたい。 これから夏にかけて、山岳渓流へと足を運ぶ機会が増えてくるだろう。魚野川では7月から鮎の解禁なので、朝のうちに本流を釣って、さっさと山岳渓流へと身を隠したい。岩を登って流れを遡るのは過酷だが、この過酷が楽しいのだ。 Tackle (山岳渓流) Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-501Si Reel:イグジスト1003+RCS2004スプール Line:スーパートラウトアドバンスサイトエディション5lbs Lure:SKミノー50SD (本流上流域) Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-56Si Reel:イグジスト2004 Line:スーパートラウトアドバンスサイトエディション5lbs Lure:SKミノー50SD (本流下流域) Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-77Si Reel:イグジスト2506 Line:スーパートラウトアドバンスサイトエディション6lbs Lure:ツインクルTWS75
by pioneerfield
| 2007-06-09 23:58
| travel sketch
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