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2009年 01月 17日

自分的メバルロッドの考え方

最近、色々と試しているうちにメバルロッドがもう一本欲しくなった。ここ最近で各社からメバル専用のロッドが次々と発売され、選ぶ側としては選択肢が広がったのは良いことなのだが、これだけ選択の幅が広がると逆に迷いが生じてしまうわけで・・・。そこで暇つぶしに「自分メバルロッドの考え方」を述べてみた。

メバルという魚がルアーフィッシングのターゲットとして認知され、ソフトルアーで狙われ始めた頃、メバル用のワームと言えば夜光ネジワームとエコギアのグラスミノ―SSだった。その後オフトからスクリューテールグラブがリリースされると、メバルの人気は一気に高まった。自分も最初は、メバルは根魚だからということでボトム付近を探る釣り方が中心だったのだが、中層でのヒットが多いことが分かり、さらには明かりのある場所では表層まで浮いてくることが分かってくると、ジグヘッドリグのスイミングが鉄壁となってきた。

ちょうどその頃にTIFAからソルトウォーターのソフトルアー専用ロッドとしてスウェルズ・オーシャンセンシティブシリーズが発売されていて、シリーズの一つに63EXLマイクロが加わった。このロッドはまさにジグヘッドリグを使った中層スイミング専用ロッドであり、メバルを主なターゲットに据えた初の専用ロッドと言えるだろう。それまで、周りではトラウトロッドを使うアングラーが多かったのだが、63EXLマイクロが単にトラウトロッドの流用でなかった点はそのテーパーデザインだった。

端的に言うと、マイクロは2ピースの#1のみがパラボリックに曲がり、#2のバットパワーが強く、かつ低弾性な極端なロッドだった。しかし、つくづく今このロッドを見ると、このロッドのデザイン(多分、田辺哲男さんがデザインしたのだと思う)は、相当考えつくされて出されたものだと思う。メバルのバイトの仕方は、ルアーを水と一緒に吸い込む「吸い込み型」だ。ジグヘッドのスイミングはリトリーブ主体の釣りであり、この場合、低弾性でパラボリックに曲がるロッドの方が口に吸い込ませやすい。例えばバス用のクランクベイトロッドを見てみると分かるのだが、カーボンよりも弾性率の低いグラスを使って、パラボリックに曲がるように作られているものが多い。しかしただパラボリックに作ればいいかというと、メバルロッドの場合はそう単純ではないはずだ。メバルが釣れるポイントはオープンウォーターだけならばまだしも、テトラ、海藻帯と、バラエティに富んでおり、バットにはある程度のパワーを残しておかなければならない。管理釣り場のトラウトロッドのようにバットまでパラボリックに曲がるロッドでは、根のきつい場所では心許ないのだ。だからと言ってロッド全体にパワーを持たせてしまうと、最も多用する1グラム程度のマイクロジグヘッドがキャストし辛く、全く扱えないロッドになってしまう。63EXLマイクロは、それらをティップからベリーまでをパラボリックにし、バットを強化するという、極端なテーパーデザインで実現していた。おそらく史上初のメバルロッドとしてリリースされた時点でそれらの必要条件を高レベルでクリアしていたことを評価したい。

その後にリリースされ、現在も自身が使用する80EXLマイクロはそのロングバージョンとして追加されたもので、コンセプトは63と同様だが、ティップをさらに繊細にすることで吸い込ませやすい作りになっている。

さて、メバル用のソフトベイトとジグヘッドが各ルアーメーカー、フックメーカーから次々にリリースされ始めると、ロッドの種類も増え始める。しかしこの頃、メバルのロッドの主流となっていったのは極細のソリッドティップを用いたものだった。ソリッドティップのロッドは、オフトのウォーターサイドあたりが始まりだったと記憶しているが、そもそも日本のルアーロッドでソリッドティップを最初に採用したのはダイワのTD-LTというバスロッドで、その頃主流になっていたスプリットショットリグなどのライトリグにおいて、チューブラーに比べると格段にバスのバイトを弾かず、バイトに追従して入るティップを持ったロッドだった。

自身もTD-LTの後にリリースされたTD-Sのソリッドティップのロッドを使っていたのだが、確かに小さなバイトでも魚に違和感なく食い込ませることができるロッドだった。しかしその反面、チューブラーよりも細く、しなやかなためバイトを感じにくいロッドでもあった。また、ソリッドティップのロッドはシンカーがボトムに着いていたり、フォーリング中でテンションが掛かっていない状態では食い込みが良いが、逆にリトリーブの釣りには向かないロッドだと感じた。

で、メバルの方ではどうなのかというと、実は自分ではソリッドティップのロッドを人から借りた程度にしか使ったことがないのである。借りた程度での感想になってしまうのだが、どうも自分には「勝手に掛かってしまってる感」があり、苦手だ。バイトを感じずにメバルがフッキングしていたことがしばしばで、完全にハリ掛かりしてしまった状態で初めて手に伝わってくる感じがどうも慣れなかった。また、ジグヘッドが軽量といえども、リトリーブしている状態ではロッドティップには常にテンションがかかっているわけだが、この状態でメバルがバイトするとソリッドとチューブラーとの継ぎ目の部分までテンションがかかる。ソリッドティップのロッドを曲げていくと、大抵のロッドは継ぎ目部分から硬くなっていくので、メバルがジグヘッドを吸い込んで反転する時にはティップだけが曲がってベリーが追従して曲がらない。そうなるとどうもバレる確率が増してしまう気がしてならない。リグがボトムに着いていたりフォール中でテンションが掛かっていない状態と、リトリーブ中にテンションが掛かっている状態とでは、バイト時にロッドがどこまで曲がるかが違ってくるのだ。

最近のメバルロッドの傾向を見てみると、結局のところソリッドティップかチューブラーかに大別されてしまうのだが、ソリッドは「オートマチックに乗せるロッド」、チューブラーは「ポジティブに掛けるロッド」と考えられている。しかし自分としてはメバル狙いでリトリーブの釣りを中心に据えるのであれば、チューブラーの方を選択したい。ということで最近までずっと80EXLマイクロを使用し続けてきたのだが・・・ここ最近、相模湾の濃いウィードエリアを攻略したり、フロートリグやワイヤーベイトを使い始めたり、ラインをPEにしたりと、自分のメバル釣りが徐々に変わりつつあるので、ここらでもう一本追加してみようということになった。基本的にはマイクロよりもパワーレンジが上でレングスは8フィート以上、当然チューブラーとなると選択できるロッドはかなり絞られてしまうのだが、それに加えてベリーまで曲がるロッドとなるとほぼ皆無に等しかった。最近のチューブラーのロッドはソリッドティップと同様EXファストテーパーのものが多いらしい。そんなチューブラーのロッドの中で選び出したのが・・・

自分的メバルロッドの考え方_d0000101_016459.jpg


ゼナック アストラS83 である。

このロッド、一見硬い。メバルというよりもカサゴの方が合いそうなロッドだと思いきや、実際にラインを通して使ってみると、意外にもベリーまで曲がる。マイクロほど低弾性ではなく向こうアワセで乗せられる感じはしないので、手首を動かす程度にフックングを入れているのだが、バイト→即アワセが気持ち良いロッドだ。まだ2,3回ほどしか使っていないので何とも言えない部分はあるのだが、欲を言えばもう少し曲がりの支点をバット側に下がっていた方が個人的には好きだ。そうは言っても、高弾性素材を使えば軽くて細いロッドが作れるところをあえて中弾性気味の素材で作っているところが気に入った。ロッドは何でもかんでも高弾性化しすぎている気がするが、実際にキャストからリトリーブ、フッキングまでの一連の動作をそつなくできるのはこういったロッドなのだ。

無理に例えて言うなら、マイクロはクランクベイトロッドでアストラはスピナーベイトロッドという感じだろうか。これからは、ナイロンラインセッティングでジグヘッドを使い、中、小型を数釣ってロッドの曲がりを楽しみたいならマイクロ、PEラインで大型狙い、色々なリグを試したいならアストラという使い分けになる予定である。しかしとりあえずはアストラをもう少し使い倒してマイクロと決定的にどこが違うのかを詰めたいと思う。

by pioneerfield | 2009-01-17 23:20 | miura current


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