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2009年 08月 28日

夏の残光、未知の川への旅。

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桂川、利根川、魚野川。初夏からの本流を転戦したものの、結局尺ヤマメには出会うことが出来なかった。タイムリミットはもう2ヶ月を切っていた。毎年必ず手にしている尺ヤマメをこのまま手にすることが出来ずに今シーズンを終了することになるのか。そのような焦りが晩夏の東北、岩手へと足を向かわせた。

とは言っても自分自身、東北は初挑戦であり、事前の情報もほとんど無いままの出発となってしまった。7日間、車中泊をしながら可能な限り多くの河川を巡ろう。岩手の地図を見れば川は無数にある。事前情報が無いのは何も今回に限った事ではなく、毎回の事なのだから、いつも通りの釣りをすれば良いわけである。



8月22日 Day1-閉伊川本流、薬師川

d0000101_20114015.jpg金曜の夜中に東北道を走り、盛岡に着いたのは6時を過ぎた頃だった。そこからさらに車を走らせ、閉伊川へと国道を向かう。区界峠を抜ける頃になると、気温はぐっと下がり、右手に閉伊川本流が見えてきた。適当な場所に駐車して川を見ると、いかにも、といったポイントが続いている。しかしヤマメを狙うならさらに下流へ行った方が良さそうだ。

途中の道の駅でウェーダーを履き、準備を終えて、小国川との合流点より少し上流の、ゴルジュが続くエリアへ入った。周りには釣人の姿は見えない。川幅から考えて6.4フィートのロッドに2500番のリールをセットし、5センチのシンキングミノーを付ける。瀬続きの良さそうな場所だけに期待が高まる。

開始してすぐ、1,2投目だったと思う。20センチほどのヤマメがヒットした。記念すべき1尾な上に、あっさりと釣れてしまったのはいささか驚きであった。が、そう思っているのも束の間、瀬から次々とヤマメがヒットしてくる。適当に入ったポイントにもかかわらず、この釣れ方は凄い。岩手の川はみんなこんな感じなのか?サイズは小さいながらも、10匹近くヒットさせて、最初のポイントから上がった。

時間は9時を回ったぐらいである。関東のこの時期の川ならとうに釣れない時間に入っているところだが、やはり水温が低いのが関係していて、プライムタイムが長いのかもしれない。結局、11時頃まで本流の表層でヤマメはヒットしていた。

午後になり、さすがに本流の魚の反応も薄れてきたところで、支流である小国川のまた支流の薬師川へと入ってみることにした。この川は早池峰山から流れる川ということで、水量・水温が安定しているという。中流の集落から入渓できそうな場所を探して入ってみると、イワナが出そうな渓相が広がっていた。ロッドは5.1フィートに持ち替えて、小さなスポットを打っていく。が、予想とは反してここでもヤマメが活発にミノーを追った。

どうやらまだここはヤマメ域のようだ。それにしても支流というのに魚影が濃い。渓相もさることながら魚のコンディションも抜群で、サイズは20センチ程度だったが、手ならしにはもってこいの場所だった。葦際を通していると、不意に上流から40センチほどはあろう魚影がミノーを追った。結局食わせることは出来なかったが、その直後に25センチほどのイワナが出たところで日も暮れかかってきたので、川から上がることにした。

初日から満足出来る釣果である。川のポテンシャル自体が高いということを痛感した。幸先の良いスタートであった。


8月23日 Day2-閉伊川本流、安家川

1日目の夜は閉伊川沿いを宮古まで下って、宮古の道の駅で車中泊した。岩手はこうした道の駅が多いので車中泊にはもってこいである。宿に泊まるよりも安上がりで済むし、何よりも朝一の良い時間から釣りを開始できるのが最大のメリットである。

さて、2日目は閉伊川の、昨日のエリアからさらに下流に下った本流からスタートした。というのも昨日の夕方に国道沿いのルアーショップでこのあたりでヤマメが出ているとの情報を得たからである。場所的にはヤマメも釣れそうだが、サクラマスが留まりそうな場所がいくつもあり、きっとシーズンが良ければサクラ狙いのアングラーで賑わっているだろうエリアだった。

ロッドも7.1フィートのいつもの本流タックルでダウンで流していると、時折バイトがある。しかし魚のサイズはそこまで大きくはなさそうで、せいぜい20センチ程度、といったところか。それよりも意外だったのは、本流の大場所よりも、分流のちょっとした小場所にも確実に魚が入っているところだ。おそらく普段は誰も攻めないのだろうが、桂川をはじめとする関東のフィールドに慣れてしまっている自分にはこういった場所も見逃せない。関東ならばこういった場所にすら魚はいないのに、この川は魚が着いてるのだ。

さて、下流も少し攻め飽きたところで、昨日のポイントへと入ってみることに。相変わらずヤマメの追いは活発だったが、川のアウトベンドの淵をディープダイバーで流すと、良型がヒットした。尺はなさそうだが、慎重にやり取りしてネットに収めると、27センチのヤマメであった。これは嬉しい一尾である。

このまま閉伊川で釣りを続けていても魚は釣れるだろう。が、それよりも他の川を見てみたい。そう思い、車に乗り込んだ。一旦、宮古まで出て、海岸の国道を北へ向かう。途中、何箇所かの単入河川を見下ろしながら、辿り着いたのは安家川であった。

d0000101_20162638.jpg安家川は川沿いに道が走っており、ときどき車を停めて川面を覗くと、すでに下流からヤマメの稚魚の魚影が見られた。しかし所々に釣人らしき車が停まっており、どうやら鮎を狙う人らしかった。ヤマメを狙うならさらに上流が良いかもしれない。ひたすら上流へと車を走らせ、ようやく駐車してある車がなくなってくる場所から開始することにした。流れに落差はあまりなく、いかにもヤマメの川、といった渓相である。ほどなくして20センチほどのヤマメがヒットし、幸先のよいスタートである。

川を上る途中の砂底に目を落とし、注意深く見て見ると・・・、いた。カワシンジュガイである。安家川といえばカワシンジュガイの繁殖地ということなのだが、この貝、幼生はヤマメなどのサケ科の魚の鰓に付着して移動する、ということだ。しばしロッドを置いて観察。

さて釣りの方は、というと、ここでも20センチ程度のヤマメが教科書どおりの場所からミノーを追うので、サイズは小さいとは言えども「狙って釣った」感があるため、楽しい。岩手でもやはり20センチ前後のヤマメがアベレージなのだろう。これを超えるサイズとなると、それなりの状況でないとヒットしない。ましてや尺を超えるヤマメとなれば・・・。

安家川を川沿いにひたすら上流まで上っていこうとしたのだが、流程が意外に長く、夕方も近づいていたため、川から上がった。さらに北へ上がり、明日は久慈川へと行ってみよう。途中で温泉を発見して入った後、久慈の道の駅で夜を過ごした。


8月24日 Day3-久慈川本支流、遠別川

大渕と瀬が連続する本流域を朝一で流す。が、魚の反応はいまいちだった。河口からそんなに上流へ来ているわけではないのだが、時折イワナがヒットするところをみると、水温は低く、標高も多少はありそうだった。

本流域ではあるが、ロッドを渓流用の5.1フィートで釣っていき、遡行不可能な大渕まで差し掛かってから車へと戻ることにした。少し下ると、支流が差し込んでいる場所に辿り着く。このまま車まで戻るのも良いが、折角渓流用のロッドを持っているので支流を昇ることにした。流れは細いが高低差があり、イワナが出そうな支流である。ちょっとした流れのたるみにミノーを通すと、ヒットしたのはヤマメ。まあここ二日間でこんな場所でもヤマメが釣れることに驚きはなくなった。

岩を登り、上流へ行くにしたがって遡行がし辛くなる。人もあまり入っていない様子だが、真上を国道が走っているので何とか退渓は出来そうなので、少し無理をして上っていく。辺りが木々に囲まれてシェードを作り出している区間を過ぎると、谷は開けて眼前に滝壺が現れた。

こういった水深のある場所は一級ポイントなのだが、昨日、一昨日の釣りからすると魚が入っていることは少なかった。そのため気軽に表層から攻めてみたが、反応はなかった。一応、ミノーをチェンジしてディープを攻めてみることにする。潜行させてからトゥイッチを掛ける。ふと上空を見ると、夏の空が青く透き通っていた。

その一瞬、殺気が消えたからかもしれない。気付くと手前までトレースしたミノーに魚が食っていた。しかも良型である。手前でのバイトだったがためにバラさないように、ショートロッドでいなす。寄せてきた魚体はイワナだった。ネットインすると、尺は優に超える見事な魚体だった。

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岩を登り、辿り着いた滝壺の深みから現れた33センチ。サイズもさることながら美しい魚体だった。



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何匹でもイワナが出てきそうな滝壺。


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2匹目は尺を欠ける細身の魚だった。



既に日は高く上り、太陽の光が差しているのにバイトしてきた。続いて尺を欠けるぐらいのイワナがまたしてもヒットし、しばし、バイトが続いた。ひょっとすると、一瞬の水温の上がり始めの良いタイミングで入れたのかもしれない。イワナと言えども尺オーバーが出たことには満足だった。魚体も綺麗で、このような魚を育む支流を持つ久慈川もなかなかのものである。

久慈川の本流をさらに登っていくと、遠別川に当たる。ここまで奥地に入って来たのだから、当然イワナの魚影が濃くなってくるのかと思いきや、ここもヤマメの魚影が濃かった。まあ川の渓相としては平瀬が続くような感じなので、ヤマメが好みそうな場所ではあるが、ここのヤマメは手強い。キャストは一撃で決め、しっかりとしたトレースコースを取らなければヒットには結びつかないだけに、高度な技術が要求される。慣れないロッドを駆使してキャストのタイミングなどを合わせていくのが難しく、なかなか良いスポットにキャストできないのだが、連れてくる魚は綺麗で、サイズ抜きにしても貴重な一尾である。

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遠別川のヤマメはミノーの追い方、姿かたちをとっても最もヤマメらしい魚だった。慣れないキャストでようやく手にした一尾だ。



普段は関東で釣りをしていると、ヤマメがこれだけ釣れる、ということも、そこまであるわけではないので、満足はしているのだが、やはりサイズが欲しい。昨日釣った27センチを凌駕する尺オーバーを求め、川を下ることにした。久慈川でも釣れないことは無いのだが、旅の序盤でもっと他の河川も見てみたい。そう思い、一気に南下し、陸前高田辿り着いたのは夜も9時近かった。明日はここを流れるスーパーヤマメの名川を釣ってみたいと思う。


8月25日 Day4-気仙川、猿ヶ石川

気仙川といえば、40センチを超えるスーパーヤマメの名川として知られているが、朝に見た本流はやはり減水しているような感じだった。チャンスは朝一だけと見て、瀬、大渕を探っていくのだが、スーパーヤマメはおろか、ヤマメの魚影も見られなかった。しかも平日だというのに釣り人が多い。岩手県といっても気仙川は宮城に近いだけあって、人も多く入るハイプレッシャー河川なのかもしれない。

なんとなく、本流は期待が薄そうなので、支流の、しかも国道から離れたところから入渓することにした。国道沿いに車を停めてすぐ下を流れる支流を見ると、どうもプールになっているらしい。水底にはヤマメやアユと思わしき魚が群れていたが、その中で一匹だけ、巨大な魚が水面近くを悠々と泳いでいるのを見た。一瞬、ニジマスかと思ったが、すぐに違うことが分かった。おそらくサクラマスだろう。60センチ近い。

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支流に差して来たサクラマスと思われる魚。



途中にダムが無いから支流まで差して来るのだろう。それであれば本流のスーパーヤマメも支流に差して来ていてもおかしくは無い。そう考えながら支流の入渓ポイントを探しながら川沿いの道を歩いていると、左の崖で何やらガサガサと音がした。ふと見ると、カモシカが崖にへばりつくようにこちらを伺っていた。急いでカメラを取り出して何枚か写真を撮ると、到底登れなさそうな崖を登っていってしまった。

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崖の方で音がすると思ったらカモシカがいた。音を聞いた瞬間、熊かと思って正直ビビった。



入れそうな場所から支流に入り、釣りあがっていくのだが、ここも魚影は薄く、2級ポイントからしか魚は出なかった。支流もこれだけ叩かれているのなら、川を変えたほうが良いのかもしれない。車に戻ってカーナビを見ると、遠野が近いようだった。遠野は2年前に訪れたことはあったのだが、その際には釣りはしていない。しかし、猿ヶ石川の重厚な流れはいかにも大型が潜んでいるような感じがして、今回の旅でも気にはなっていた川である。

遠野に着いたのは夕方近かった。遠野を流れる猿ヶ石川は葦に囲まれた砂の川だ。そのため入渓点は限られてしまう。何箇所かは入れそうな場所はあったが、得てして人が入りそうな場所は魚影が薄い。水深がある深瀬が多く、川通しに歩けない場所も多いため、入渓点を開拓できれば良型が期待できるかもしれない。

附馬牛付近の本流を見て周り、いつも通りの発想で入渓できそうなポイントを探す。一箇所、葦が薄い場所で何とか入っていけそうな場所があった。藪こぎをして何とか入川することに成功した。周りは葦に囲まれた、まるで迷路である。

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猿ヶ石川・附馬牛のヤマメ。このように砂とオレンジ色がかった石が多い川である。



前方には瀬が続いて、さらにその先は深瀬になっていた。深瀬をダウンで流していると、すぐに小型がヒットした。大岩が水中にあるので期待が出来そうである。さらに次の一投。岩の際を流していると、ティップが持っていかれるとともに、ドラグが鳴り、そしてバレた。デカそうだった・・・!姿は見えていないので何とも言えないが、明日も攻めてみる価値はありそうだ。

by pioneerfield | 2009-08-28 23:35 | ST Expedition | Trackback | Comments(4)
2009年 08月 28日

夏の残光、未知の川への旅。(2)

8月26日 Day5-猿ヶ石川本流、支流

遠野の道の駅を出たのはいつもよりも若干遅く、辺りが明るくなり始めてからだった。しかし遠野は山に囲まれた盆地であり、霧が出ているため日はまだ差してはいなかった。昨日の夕方に入った附馬牛周辺の猿ヶ石川には夕方に入るとして、朝に入る場所を探さなくてはならない。道の駅から少し下った辺りは川幅が広くなってはいるものの、依然として周囲を葦原に囲まれ、入川は容易ではない。丹念に辺りを見回し、ようやく入れそうな場所を発見して川へと降りた。下流には橋の橋脚付近にガンガン瀬から続く深瀬がある。そこを丹念に探ってみるも、バイトは得られなかった。

やはり少し水温が上がり始めてからの方が良いのだろうか。そう考えながら、上流にある瀬を攻めるべく歩いていくと、下ってくるときには気付かなかったが、瀬から離れた橋脚に緩やかな流れが出来ており、水深がありそうな一畳ほどのスポットを発見した。

閉伊川で本流を攻めたときもそうだが、こういったショートスポットを攻めるのは習慣のようなものである。何気なくアレキサンドラ50ヘビーをキャストし、流れに絡ませながらトゥイッチしてくると、急にロッドティップが入った。

手前で食わせたので魚体はすぐに確認できた。体側にうっすらと残るパーマークに尖った口がヤマメだと判別できる。バレるな!流れの緩やかな場所に誘導し、背中のネットを外して、確実にネットインした。

ネットに収まった魚体を見て、サイズを測らなくても尺超えであることは一目瞭然だった。ついに今シーズン発の尺ヤマメをキャッチすることが出来た感動に震えた。サイズを計測すると31センチ。今年釣ってきたどんなヤマメよりも精悍な顔つきの雄だった。

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ようやく手にした今期初となる尺ヤマメ。パーマークが残る雄の31センチ。



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この顔つき。ヤマメは尺を超えると精悍さが増す。



ヤマメをリリースした後、上流の瀬を攻めた。ここでも25センチ弱のヤマメをキャッチすることが出来た。どうやらサイズの面から言えば猿ヶ石川のポテンシャルは高そうだ。

とりあえず目標を達成した次に向かったのは猿ヶ石川の上流、山間を流れる区間だ。しかしながら渓相はよいものの、魚に出会うことはできなかった。その後支流を転々とした後、本流に流入している小河川を見つけて入っていった。この川は用水路のような感じだが、もしかしたら本流から良型のヤマメが差して来ているかも知れない。そんな期待とは裏腹に、小堰堤の下では全く反応が無かった。

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猿ヶ石川は上流へ行っても砂が多い。渓相は抜群に良いのだが・・・



堰堤の上のプールでは、ウグイと思わしき魚が群れていたので、試しにスプーンを投げて狙ってみた。バイトはするが、なかなかフッキングにまでは至らない。そこまでやる必要はなさそうだが、何気なくフックをトレブルに変えて再度キャストすると、ついにフッキングした。まあ30センチ弱ぐらいのウグイだろう。そう思っていると、何故かパーマークがある。?ヤマメか?!抜き上げて見ると紛れも無くヤマメ。しかも28センチの良型だった。さすがは岩手。こんな川にもヤマメが生息しているところが凄い。そんなことをしていると、時間はあっという間に夕方になりそうだった。

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昨日の附馬牛の区間に入ってみよう。昨日バラした魚がまた口を使うかもしれない。そう思って再び葦の迷路、砂の川へと足を踏み入れる。昨日は深瀬でヒットしただけに、その前の早瀬はあまり気を留めていなかった。が、またしても昨日と同じバイトはこの早瀬を流しているときに出た。一瞬だった。またしても掛けられなかった悔しさに、しばしうなだれた。


8月27日 Day6-閉伊川本流、小国川、薬師川、猿ヶ石川

昨日の夜のうちに閉伊川沿いの道の駅に移動していた。初日に魚影の濃かった閉伊川本流と支流を午前中に攻めてみようというわけだ。

初日、一番最初に入ったポイントを朝一で流すと、瞬く間に5,6匹のヤマメをキャッチすることができた。しかしながらサイズは今ひとつで、20センチそこそこ、といったところだろうか。早々に切り上げて今度は支流の小国川へと足を向けた。

小国川はアップストリームで釣るには少々水量があり、どうしてもヤマメが追いきれていない感があった。それでも、20センチ程度のヤマメを何匹かキャッチすることができた。次はその支流の薬師川へ。小国川との合流部から釣りをスタートすると、ここも好反応で、25センチほどのヤマメのチェイスが見られた。残念ながら、未だ慣れないキャストで、良いスポットにプレゼンテーションすることができずに、バイトまで持ち込むことはできなかった。

とにかく先に進めばもっと良い場所があるかもしれない。そう思いながら何気なく放ったミノーにバイトが。小さいがヤマメのようだ。が、寄せてきて魚体を見ると、何とも奇妙だった。魚体の形やヒレの色は完全にヤマメ。だが、背中にイワナの虫食い模様がある。珍しい。おそらくヤマメとイワナのハイブリッドだろう。

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キャッチするまでイワナなのかヤマメなのか分からなかった。いや、キャッチしてからも分からなかった。


そんなこんなでハプニング的な魚をキャッチできたが、それにしてもこの川の魚影は濃い。いかにも、といった場所からは必ずヤマメが出てくる。あと少しキャスティングの技術があれば、もっとキャッチできたと思うのだが・・・・。

閉伊川水系を午前中に回り、やはりサイズを求めるのであれば猿ヶ石に移動した方が良いのではないかと考え、再び峠を越えて遠野まで戻った。

昨日、一昨日と負け続きの区間。夕方はまたここに賭けてみよう。深瀬の手前の早瀬。ここを慎重に流す。今日こそはランディングまで持ち込みたい。が、そんな期待の裏には、既にこの瀬から移動してしまったのではないかという懸念があった。

だが、瀬の岩周りを流していたミノーに、急に「ゴンッ」とバイトした。フッキング成功。慎重にやり取りした後にネットに収めたのは25センチほどの婚姻色が出始めた雄のヤマメだった。昨日のバイトの主はこいつだろうか?まあこいつだとうことにしていた方が、納得もいくし、心残りもないというものだ。

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昨日、一昨日のバイトの正体はこの魚だったのだろうか。それにしても猿ヶ石の川底のごとく黄色い体色だ。



8月28日 Day7-猿ヶ石川

砂の川、猿ヶ石川。この川は北上川に流入する間に田瀬湖を挟み、上流側を上猿ヶ石、下流を下猿ヶ石という。最終日は下猿ヶ石を中心に見て回ることにした。

雨が降り始めていた。入るポイントを探しながら、田瀬湖を一周し、結局完全に明るくなってから鱒沢周辺から入ってみることにした。ちなみにここは田瀬湖の上流に当たる。それはそうと「鱒沢」という地名だが、おそらくはサクラマスが遡上してきて、この名前が付いたのだろう。「遠野物語」の冒頭にも出てくるところを見ると、明治時代には既にこの地名だったようだ。

ともかく、雨が降り始めでどれだけ増水するかが全く分からないので、深追いは禁物である。だがそんな心配をよそに開始直後から25センチほどのヤマメをキャッチし、幸先の良いスタートを切った。しかし雨足が強まってくると共に、水位が上がり始めてきたため、一度本流から上がった。

さて、車で下流に移動しながら、下猿ヶ石を探ってみよう。橋を渡りながら良さそうな瀬があったので、早速降りてみることにした。水位は10センチぐらいは上昇して、笹濁りで、ヤマメには最も良いコンディションだ。

ここ数日間の状況から、ヤマメは一番流速のあるガンガン瀬よりも少し緩くなったスポットでバイトしてくる。この瀬もそんなような場所にミノーをダウンクロスで入れ、探りを入れていると、ティップが入った。

何とかバラさずにランディングすると、うっすらと婚姻色の出た27センチの雄だった。この区間の魚はもう秋の魚になり始めており、パーマークの上にピンク色の婚姻色が出始めている。この魚が釣れた場所よりも少し下流に差し掛かったとき、またしてもバイトがあった。今度はデカそうである。ダウンで掛けたので慎重に寄せながら、手前で見ると、魚の他に苔がハリに掛かっていたらしく、それで大きく感じたようだった。とは言っても先程と同サイズのヤマメで、今度は雌だった。こちらももうだいぶ魚体が赤づいてきていた。

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雄の27センチ。婚姻色が出始めている。



このサイズが2本出れば満足がいく釣果といえる。だが、これだけ良いコンディションで川に入れているのだ。まだこれよりも良さそうなサイズが出てもおかしくは無い。そう期待したが、この場所では後は小さなヤマメがヒットしたのみで、場所を移動することにした。

下流の橋のたもとから川沿いに降りていける砂利道を見つけ、橋下に車を停めた。先程よりも川にアプローチはしやすいのだが、見た感じ、鮎のポイントのような平瀬が続いており、先程の場所よりも1ランク落ちそうな感じだった。それでもとりあえず流してみないことには分からない。下流に下っていくにつれて、水深が出てきて川底の岩も良さそうである。

しかし期待に反して、出そうな流心脇のたるみでは小さなヤマメのバイトすらなかった。既に濁りが入り始め、水位も上昇してきている。これより先は深く、進むのに困難をきたしそうである。下流の水面に頭を出した岩の向こうに掠めるようなトレースラインを取るべく、流心の向こうにキャストし、流れにミノーのリップを噛ませる。

ちょうどミノーが緩流帯に入った時だったと思う。ロッドティップに明らかな生命反応が伝わり、反射的にフッキングしていた。昨日、少しきつめにしたドラグが少しながらも音を出す。良さそうなサイズだ。手前まで寄せて反転する銀色の魚体を見たとき、尺ヤマメだと確信した。バラさないよう細心の注意をはかり、自分の立ち位置よりも上流に誘導する。テールフックだけが口に掛かっているので、このままローリングされればフックアウトの可能性もある。

ネットで掬う瞬間、雄のヤマメの体側に出始めた婚姻色に目を惹かれた。二本目の尺ヤマメ。今回の旅の有終の美を飾るのに相応しい一尾であった。

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本流の雄、32センチの尺ヤマメ。雨による濁りと増水がもたらした結果。



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旅の終結を飾る文句無しの一尾。円は閉じられた。




Tackle

(本流中上流)
Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-64Si
Reel:イグジスト2506
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.8号+リーダー1.7号
(本流中下流)
Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-701MN-Si
Reel:トーナメントエアリティ2506
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.8号+リーダー1.7号
(支流)
Rod:エキスパートカスタムボロンEXC-510ULX
Reel:イグジスト2004
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.6号+リーダー1.25号

Lure:アレキサンドラ50HW,63HW,Dダイレクト,蝦夷ファーストモデル他

by pioneerfield | 2009-08-28 23:35 | ST Expedition | Trackback | Comments(1)
2009年 08月 01日

敗北の雨

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今回もめげずに魚野川の本流へ。前日に雨が降り、水位は多少上昇して濁りも若干入っていた。ベストなコンディションというものだ。が、朝一で入ろうとしていたポイントに3時半ごろに到着すると既に車が・・・。どうやら超メジャーな場所らしく、移動を余儀なくされた。朝の本流では前回ニジマスをたくさん釣った場所を攻めてみるのだが、キャッチしたのは20センチそこそこのニジマスのみ。コンディションは良いものの、どうも魚の反応は今ひとつのようだった。

この時期はまだ梅雨も明けておらず、とはいってもしとしとと降る雨ではなく、夜に上流の方で集中豪雨があることが多いため、水位が安定しないようだ。そして昼間はうだるように暑い。本来ならもう本流を攻める時期ではないのだが、ここ魚野川では8月に良い魚が出るようで、毎週通っていたのだが、どうも調子が良くない。

とりあえず昼間は少し寝て、ようやく3時ごろから再開。雲行きが怪しいがなんとか持つだろう。と、勇んで出撃したのだが、たちまち辺りに暗雲が立ち込めて夕立に。夕立の直後には魚のライズが見えたのだが、次第に雨は強くなり、川も濁り始めた。

こうなってしまっては一度上がるしかない。ずぶ濡れになりながら車に戻り、シャツを乾かす。とりあえず上流の方を見てみよう。そう思って車を走らせ上流に着いてみると、かわは泥濁りになっており、この日の釣りは終了となった。

さすがに天候には勝てないが、泥濁りの中、投網を打つ人の姿が見えた。彼らは濁りが入ると魚が集中して避難する場所を知っているのかもしれない。とにかく今回は雨に負けたという感じだった。そろそろまともな魚が釣りたいのだが・・・そう一筋縄ではいかないようだ。

by pioneerfield | 2009-08-01 23:43 | travel sketch | Trackback | Comments(0)