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2010年 03月 20日

Spring Trip 2010

いつの頃からかは忘れたが、渓流トラウトの釣りを始めてから、毎年目標としていることが一つだけある。それは、年に1匹は尺ヤマメ(アマゴ)を釣ること。人によっては至極簡単なことかもしれないが、行く川がちょくちょく変わってしまい、さらには有名河川でもよく知られたメジャーポイントには行きもせずひたすら自分でポイントを探そうとしてしまう僕にとっては、下手をすると達成できないかもしれない目標でもある。

過去にも何度か達成できそうに無い年はあったのだが、運良く放流されたばかりと思われる尺ヤマメが釣れたり(それはそれで残念なのだが)、ちょっと奇形の尺ヤマメが釣れたり(これも残念なのだが)と、何とか形だけは継続できてはいる。そんな目標を掲げてしまったがために、昨年は関東の河川でことごとく敗北し、東北は岩手まで出向いてようやく目標達成ということになってしまった。

これまで釣った中では桂川の釣果が多い。だが、どうも最近は魚影の多さよりもゴミの多さが気になって、なんとなく行こうという気にはなれない。とは言え解禁直後は気になるので連休を一日多めにとって、金曜から行ってみることにした。毎年恒例になりつつある春のショートトリップである。

先週に降った雪と、前日からの冷え込みが水温を下げていた。朝一で支流に入ろうとしたが、水温が低いためか魚の追いがいまいち鈍かったので午後の水温が上がってから再度入ることにして、本流のポイントを開拓してみることにした。未だに足を踏み入れたことの無い区間を歩くのだが、魚影は薄い。解禁直後の桂川とは言え、既に3日は経過しているので、そこかしこに足跡がある。午前中一杯を使って丹念に探りを入れたのだが、釣れたのはニジマス1尾だけだった。でも、このニジマスはヒレもしっかりとして、綺麗な魚だった。50オーバーの放流したてのニジマスよりも30センチそこそこだが綺麗なニジマスの方が良い。まあ欲を言えばヒレピンの50オーバーならもっと良いのだけどね。

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綺麗なニジマスだ。この区間は水質も良くてこんなニジマスが釣れるのだが・・・何故こうもゴミが多いのだろうか。



この日、ちょうど休みだったI君と昼に合流して、お互い持参してきたバーナーでお湯を沸かして昼食のカップラーメンを食す。彼は支流のまた支流に入って良いヤマメを釣ったようだ。数も結構釣ったそうだ。もうちょっと余裕があったら紅茶を沸かして飲んだりしたのだろうが、目の前の川が気になって、早々に片付けて釣りを再開した。僕は午後になってから入ろうとしていた支流に入ったのだが、濁りがきつくなっていて、結局ニジマスと小型のヤマメを何匹か釣っただけだった。

この日の釣りを終えて、これから一旦府中に友達を迎えに行ってから長野へと行くというI君と別れ、僕は一人、富士吉田から御殿場に下り、そこから東名高速で沼津まで走った。高速を降りてからすぐに日帰り温泉を見つけて、この日はそこで温泉に浸かり、朝まで眠った。

夜が明ける前に温泉施設を出て向かったのは先週も来た狩野川。思いのほか先週の釣果が良かったし、何より里川の風景が春らしい釣りに向いていたので、またしても訪れたのだ。桂と同様、ここも水温が下がっているようで魚の追いも鈍いようだった。しかしやはり伊豆ということもあって午前中から春らしい陽気に包まれてきた。

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20センチそこそこだが、朱点が鮮やかで綺麗な魚だったので、わざわざ写真の撮れる浅場まで戻って撮影した。



前回とは違う支流に入った。ここも里川の風景で、アップストリームで釣りあがる。ところどころで成魚放流が行われているらしく、銀色をしたそこそこのサイズのアマゴが釣れたが、道から外れた区間に入ると、冬を越したと思われる綺麗なアマゴが活発にミノーを追ってきた。20センチから少し背伸びをしたぐらいの魚が多いが、きちんとしたアプローチが出来ないとヒットまで持ち込めないので、慣れないロッドを使って釣り上がるのには良いトレーニングになる。

ミノーは蝦夷を使っていたのだが、ルアー交換のときに落としてしまって、それ以降はアレキサンドラを使っていた。アレキサンドラはもともとシングルフックがついているのだが、掛かり重視と、少し下のレンジを引きたいのでカルティバのトレブルに替えていた。しかし釣り始めるとどうもバラシが多かったので、試しに蝦夷についているエキスパートトレブルに替えると、バラシは減った。ちょっとした発見。

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時折、こんな風景が広がっている。いかにもアマゴが好きそうな渓相。伊豆の川は奥に見えるような堰堤が多いのが特徴。



もうだいぶ釣りあがってきたが、なかなか退渓出来る場所が見つからなかった。さらに上がっていくと前方に橋が見えた。そろそろ川から上がるか。そう思ったが、とりあえず橋下にアマゴが着きそうなヒラキがあったのでミノーを通すと、尺はあろう魚が追ってきた。足元まで追わせてしまったのでもう出ないだろうと思ったが、何と次の1投で喰った。

が、ラインがガイドに絡まってしまい、リールが巻けない。仕方なくそのまま抜き上げると、尺ぐらいの銀ピカの成魚放流らしいアマゴだった。とりあえずネットに入れてサイズを測ると30.5センチ。前回釣ったアマゴはジャスト30センチの泣き尺だったが、今回のは尺アマゴと言えるだろう。「正真正銘の尺アマゴ」と言えるかどうかは微妙だが・・・。


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細身でいまいち迫力不足だが、一応尺アマゴだった。が、今年はこれで満足したわけではない。



こうして3月にして早くも目標を達成してしまったのだが、次回はヒレピンの成魚放流でない尺オーバーをキャッチしたいところである。この日は夕方まで里川を釣りあがったが、20センチ程度のアマゴ中心で、それ以上の型は見なかった。春のショートトリップ、3日目も狩野川の支流を釣り歩こうと思ったのだけど、翌朝に嵐が来るという予報だったため、この日のうちに帰った。

そういえば河畔の河津桜はもう終わりかけていたけど、今度は桜が咲き始めていた。次回の釣りが楽しみだね。



Tackle

(本流)
Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-64Si
Reel:イグジスト2506
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.8号+リーダー1.7号

Rod:シルファーSYGSi-56L
Reel:イグジスト2004
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.6号+リーダー1.25号

(支流)
Rod:エキスパートカスタムボロンEXC-510ULX
Reel:カーディナル3
Line:スーパートラウトアドバンスVEP5lb
    スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.8号+リーダー1.25号


Lure:アレキサンドラ50S,蝦夷ファーストモデル


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支流にはエキスパートカスタムにカーディナル3.まだキャスティング技術が追いついていない。今年の課題の一つである。

by pioneerfield | 2010-03-20 23:15 | travel sketch | Trackback | Comments(0)
2010年 03月 13日

狩の日

僕らが趣味としている釣りという遊びには、緊張感がつきものである。そして緊張感の後には、ときどき悦びがあり、大抵は落胆がある。だから釣りは面白いと言ってしまえばそれまでなのだが、どうせ休みを1日使って釣りに行くならせめて幸福感を味わいたいと思うのが普通の釣り人の感情だ。

その日、南風がとても強く、ルアーをキャストしても8割の確率で狙ったスポットに入れることが出来ない日に狩野川のある支流を訪れていた。かつて、解禁直後といえば桂川オンリーだった自分が注目していたのが、一昨年からルアーが解禁になった伊豆の狩野川だった。

一昨年も春のこの時期に何回か行ったことはあるのだが、小さなアマゴしか釣れずに足が遠のいていたた。今回も不安はあったのだが、ロケーションの良い里川で、のんびりと釣りをしたくなり、桂ではなく、こっちを選んだのだ。と、いうよりも、どうやら今年は狩野川の調子が良さそうだという噂を聞きつけて、行ってみることにしたのだ。

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これは冬を越した魚かもしれない。サイズはともかく幅広の良い魚だった。



魚の反応の薄い本流を避け、支流に入った。少し広めの川を上っていくと、堰堤に差し当たった。ふと下流を見るとフライの釣り人が上ってくるのが見えたので、そこから上流は彼に譲って自分は下流へ下ることにした。すれ違うときに挨拶を交わして、彼が叩いてきただろう水深のある淵にミノーを通してみることにした。そう考えたのは、彼がドライフライの釣りをしていたからだ。ディープダイバーを潜らせればフライには反応しなかった魚が獲れるかもしれない。

その予測どおり、数投目に放ったDダイレクトに、8寸強のアマゴが喰った。サイズはそこそこだが、放流魚ではないらしく、幅広の良い魚体だった。これは幸先が良いとばかりに同じ淵に続けて探りを入れる。そしてさらに数投後、重々しいバイトとともに巨大な魚が体をくねらすのが見えた。

「!デカい!!」

魚の色は茶色がかり、白い斑点のようなものが見て取れた。まさかイワナがヒットしたというのか?!狩野川の水系にはイワナはいないはずだが。いやいや、一昨年来た時に釣っているじゃないか。しかしこんなサイズのイワナが・・・・。30センチや40センチどころではない魚とのやり取りに緊張感が走る。

しかし水面に浮いてきた魚体をもう一度よく確認すると・・・・アブラビレがない。代わりに口髭がある。浅い場所へズリ上げると、そのニゴイは鱒とは違っておとなしかった。56センチ。やっぱりこのサイズのイワナは狩野川にはいかなった。

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こうして撮ると迫力が増すね。アブラビレはないけれど。



その落胆も覚めやらぬままに、下流の淵を攻めてみる。今度は小さいながらもアマゴが釣れてくるので、やはりフライで叩かれた後でも魚は出るようである。白泡の真下にはまだ魚は入っていないようで、少し流心をきったあたりでのバイトが多い。ディープダイバーを潜らせて、細かいトゥイッチを掛けていき、そろそろピックアップというそのとき、今度は明らかにトラウトのシルエットの魚がミノーを追った。そのサイズ、裕に尺は越えている。

魚はミノーには触れていない。しかし一度追った魚がまた追うかどうかは分からない。次のキャストが緊張のしどころである。アップクロスに投げてもう一度潜らせて、流心を切った瞬間・・・・ロッドティップが「ドンッ!」と入って、そしてテンションが抜けた。

バイトの感じからしてさっき追ってきた魚だろう。ミノーに触れてしまった魚はこれ以上追う事はない。またしても落胆。このあたりでリズムが崩れ始めてきたので、上流へと移動することにした。

上流に行くと、堰堤続きで川幅は狭まっていた。ロッドも6.4フィートから5.1に持ち替えて、カーディナルをセットした。先週からこのカーディナルを使うのが楽しいのだ。ラインはナイロンを巻いている。アップストリームでピンスポットに入れていく釣りで、午前中に崩れたリズムを取り戻そうというわけである。

入渓してすぐの堰堤で魚の反応があった。20センチ程度のアマゴだろう。追っては来たがバイトはしなかった。堰堤を越えて上流に行くにつれて、魚の反応も良くなってくるのだが、どうもラインがナイロンであるせいか、感覚がマイルドになってしまっている。そこであらかじめ替えスプールに巻いてきたPEに変えてみることにした。ちなみにカーディナルのスプールは薄いのでベストのポケットに入れていてもかさばらないのが良い。

PEに変えてから、感覚が元に戻り、魚もそこそこ釣れるようになって来た。リールを変えたせいなのか、タラシの長さを変えたせいなのか分からないが、キャストも以前よりは決まるようになってきている。とは言ってもまだまだ10投中5投ぐらいしか良いスポットに入らないのだが。


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普段はヤマメの川ばかり行っているので、朱点が鮮やかなこうした魚に出会えるとサイズを越えた嬉しさがある。



投げ方も去年とは変えている。サイドハンドもアンダー気味に振るようにし、苦手だったバックハンドも使うようにしている。慣れるまでは全然キャストが決まらないが、苦手だからといってやらなければ一生出来ないだろう。何事もトライ&エラーが肝心である。

ある堰堤を越えると、とたんに魚の反応が良くなった。追ってきた魚のサイズを見ると、結構サイズは良さそうである。何度か同じコースを通して、とうとう食わせることに成功したのだが、またしてもバラしてしまった。さすがにバラした後に同じポイントで喰ってくるとは思わないが、なんとなく同じコースを通してしまう。

すると意外にももう一匹追ってきた魚が食った。狭い川で食わせたにもかかわらず、サイズは結構良いみたいだ。一気に緊張感が走る。慎重に寄せてネットインすると、一瞬ニジマスかと思ったが、アマゴだった。これは尺に届いたか?!

が、よくよく見てみるとアマゴはアマゴだが、成魚放流の魚らしい。これにはまたしても落胆である。一応サイズを測ってみると、ジャスト30センチ。一尺とは30.3センチのことを指すので、これはぎりぎりで泣き尺である。


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ジャスト30センチの泣き尺。この区間には27、8ぐらいの魚が多く放流されていたようだ。シーズンの始めから放流する魚が大きいな、狩野川漁協は。



春の嵐の日、緊張感と落胆とが交互にやって来た狩野川の支流での出来事だった。支流に入っても風は容赦なく吹いてきて、キャストを邪魔していた。上流から花びらが流れてくると思ったら、河津桜が土手の上に咲いていた。そうだった、これを見ながら釣りがしたいと思ったのもここに来た理由の一つだったな。


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一足先に花見の季節が来ているようだ。なんだかんだ言ってもこういう木が河畔にある里川は良いね。



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川辺にも河津桜の花びらが流れ着いていた。ヤマメやアマゴと一緒にフレームに入れると何故だかしっくりくる。


Tackle

(本流)
Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-64Si
Reel:イグジスト2506
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.8号+リーダー1.7号

(支流)
Rod:エキスパートカスタムボロンEXC-510ULX
Reel:カーディナル3
Line:スーパートラウトアドバンスVEP5lb
    スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.8号+リーダー1.25号


Lure:アレキサンドラ50S,50HW,Dダイレクト,蝦夷ファーストモデル

by pioneerfield | 2010-03-13 23:36 | travel sketch | Trackback | Comments(0)
2010年 03月 08日

マイ・カーディナル

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自分にはカーディナルのことを語れるほど長い渓流歴があるわけではないし、ましてやオリジナルが発売された頃にはこの世に生を受けてすらいない。

だから自分が釣りを始めて道具に興味を持ち始めた頃にはカーディナルというリールはもはや「古い道具」でしかなく、現物を見たことがなかった。いや、正確に言うと33のグリーンのボディとリアドラグはなんとなく前から知っていた気がするので、どこかで写真か何かで見ていたのかもしれない。

カーディナルの実物に触れたのは学生のとき、アルバイト先でのことだった。閉店後にスタッフ皆で、当時は流行り始めだったメバルを釣りに行った際に先輩のスタッフが持ってきていた33を使わせてもらったのが最初だった。その時も「なんか巻き心地も重いしカリカリ音がする昔のリールだなー」程度にしか思わなかった。

2003年のある日、店のスタッフのW師からカーディナル3が復刻することを聞いた。自分にはそれほど興味もなく、カーディナルと言えばグリーンのボディの33しか無いと思っていたので、ベージュのボディのカーディナルがあることすら知らなかった。W師にとっては昔の憧れのリールだったようで、確か最初に入荷してから結構迷って結局購入していたと記憶している。

そのときW師が購入した復刻版のカーディナル3が今、自分の手元にある。W師が渓流でずっと使ってきたが、その後オリジナルを手に入れたそうで、就職祝いにと、貰ったものだ。

すぐに次の釣りで使ってみたのだが、正直、「?」という感じだった。確かにサミングはしやすいが、巻き心地は重くて飛距離も出せない。結局、使うのを止めてしまい、ディスプレイされるだけのリールとなってしまっていた。

昨年の秋のこと。カーディナル専門でリールをチューニングしてくれる業者があることを知り、自分のカーディナルを出してみることにした。今から考えると何故、使ってもいないリールをチューニングに出したのか、不可解だが、少しでも使えるリールにしようと思ったのだろう。

解禁を前にした2月の半ばごろ、ようやく戻ってきたカーディナルを回してみたところ、明らかに以前よりも回転の軽さが違った。ドラグの滑りも以前とは比較にならないほど滑らかだったし、何よりラインが平行に巻けるようになっていた。これならばまた使ってみたいと思った。

そして解禁後の初の釣行となった昨日、雨が降り濁り始めた支流で使った。今から思えば以前カーディナルを初めて使って、そして使うのをやめてしまったのもこの支流だった。しかし以前と違ったのは、リールから手に伝わってくる流れの強弱の分かりやすさや、巻き心地の良さだった。

それまで雑誌などでカーディナルの良さは散々言われてきているのを読んではいたが、正直言えば「そうなのか??」と思う部分もあったし、使ってみてもピンとはこなかった。が、チューニングから戻ってきたカーディナルを使って、ようやく自分にもそれが理解できた気がした。

今、自分が持っているカーディナルは2003年復刻の他に、33が1台。これはW師が吉祥寺の某ショップにいた頃に、倉庫から出てきたものが7000円ぐらいで売っていたのを買ったものだ。オリムピックが以前に復刻で出していたものらしく、「OA」の丸いシールが貼ってある。でもこの33はグリスが固まっているらしく巻きが重いので、いっそのことこれもチューニングに出そうと目論んでいる。

さて、3を譲ってくれたW師からは、この間、是非オリジナルを手に入れて使ってみろと言われた。確かにオリジナルの方がクレストマークがくっきりとしているし、スプールの文字もただの印字ではないし、細部を見ていくとしっかりと作られていて気品が溢れてはいるが、なんだか自分よりも年上のリールを使うのは身分不相応な気がする。自分にとっては復刻のこのモデルが原点だし、折角貰ったものなのでしばらくは使い続けてみようと思います。

いつかこのリールが壊れて使えなくなったとき、今度はオリジナルのカーディナルを譲ってくれ・・・・・・・ますかね?

by pioneerfield | 2010-03-08 00:02 | T-Impression | Trackback | Comments(0)
2010年 03月 06日

初春、再び桂へ。

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2時半には家を出、海沿いの下道を走った。厚木を抜けて相模湖に差し掛かるころに降り始めた雨は止まず、桂川の流れは山沿いで降った雨を集めて濁り始めていた。確か昨年の解禁もここから始めた。入渓点が分かりづらいためなのか、雨の影響なのか、解禁後の土曜だというのに釣人の姿は無かった。

山の斜面を縫って川に降りる途中に大きな水溜りがある。小沢が岩盤から滝となって落ちて出来た場所であり、水溜りと言っても深さは2m、奥行きは10mはある。第1投目のあの緊張感は、渓流を知っている人ならば誰にでも知っている感覚だ。当然、1投目から釣れるなんて考えてはいないし、この時も実際に釣れなかったのだが、数投目にはロッドが絞り込まれた。



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最初1尾。まあまあのサイズである。



26センチ。最初の1尾としてはまずまずの魚だ。さすがにこんな小場所には成魚放流の魚も入っていないらしく、ヒレもしっかりとして、うっすらと銀毛していた。本流へ下ってからも成魚放流の魚に混じって、25センチほどのヤマメをキャッチした。昨年から残った魚だろうか。

朝に入った場所では、大小含めて5、6匹のヤマメを手にし、満足できる釣果だった。本流をひととおり釣り終わると、次は支流の釣りがしたくなるのが本支流こだわらず釣りをしている自分の性分である。しかし解禁直後は支流は多くの釣り人によって釣りきられているだろう。そう思って、支流のそのまた支流、まあ言ってみれば「沢」と言った方が良さそうな川を探すことにした。


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スーパーヤマメ予備軍?銀化しかかっているおよそ25センチ。これが尺を越える頃にはどこへ行ってしまうのだろうか?




15センチ程度の魚は残っているだろうが、たとえ良型が釣れなくてもそれは構わない。こういった小支流のアップストリームの釣りは、狙ったところにミノーを落とす→理想のコースに通す→思ったとおりに魚がチェイスする→見えるところでヒットする、の一連のリズムをひたすら楽しむところに醍醐味があるのだ。

おあつらえ向きの支流を発見して進んでいく。手には最近手に入れたばかりのシルファーとPEを巻いたリールにアレキサンドラ。何箇所か踏み後を見つけたが、小さな堰堤を越えるとなくなった。ちなみにこの堰堤でも成魚放流のヤマメとイワナを手にした。ヤマメの方は8寸程度。イワナも20センチ弱といったところだろうか。

全体的に浅い川だが、ところどころヤマメが好きそうな岩盤がらみのトロ瀬にミノーを通すと、小さな魚が追ってくる。しかし食うまでには至らず、色々とミノーをチェンジしながら進んでいく。これぐらいの川だったらヘビーウェイトの出番は少なそうなので、レスポンスが良い蝦夷ファーストにチェンジすると、反応が良くなった。


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落ち葉の色、石の色、それらが映り込んだかのような体色の支流のヤマメ。小さくても綺麗な魚が多い支流が残っている。




釣れてくる魚は放流魚ではないらしい。15センチ程度だが、このぐらいの魚の方がパーマークがしっかりと浮き出ているし、尾鰭の先端の朱色も鮮やかでヤマメらしさが一番出ている。桂川のこの手の支流に来るのは解禁直後の時期に限ってしまうのだが、成魚放流が多い川の中にあって、こういった支流が残っていることは貴重だ。

雨が本降りになってきたので一旦車まで引き上げる。この時期の雨といっても寒さは全然なく、むしろ心地よさすらある。本流の様子を見てみたが、既に濁りが入り始めているし、水温の上昇も見込めそうにないので、またしても支流に入ることにした。

時刻は既に4時にさしかかろうとしており、薄暗くなってきた。さっきとは別の支流に入ってみると、ここも濁り始めていた。もう一本持ってきていた支流用のロッドに持ち替えて遡っていくのだが、既に魚がミノーを追えるぎりぎりの濁り具合だった。15センチほどの元気なヤマメが2匹、ミノーにアタックしてきてくれたが、それ以上は無かった。

こうして長いようで短いであろう7ヶ月が始まった。今年は何処でどんな魚との出会いが待っているのだろうか。



Tackle

(本流)
Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-64Si
Reel:イグジスト2506
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.8号+リーダー1.7号

(支流)
Rod:シルファーSYGSi-56L
Reel:イグジスト2004
Line:スーパートラウトアドバンスダブルクロス0.6号+リーダー1.25号

Rod:エキスパートカスタムボロンEXC-510ULX
Reel:カーディナル3
Line:スーパートラウトアドバンスVEP5lb

Lure:アレキサンドラ50HW,Dダイレクト,蝦夷ファーストモデル

by pioneerfield | 2010-03-06 23:32 | travel sketch | Trackback | Comments(0)
2010年 03月 02日

最後の日

前日の朝には尺ヤマメを手にしていた。その日の朝は秋風がひんやりとして肌寒く、水の冷たさがウェーダー越に伝わってきた。川幅からすれば7フィート1インチのロッドはぴったりだったのだが、竿抜けを期待して分流に入ってみると、やはり扱い辛さは否めなかった。

長いロッドを持ってきたことを後悔したが、このまま釣り下るしかない。アシ際ぎりぎりにアレキサンドラを落とし、ヤマメが好みそうなヒラキに躍らせる。
水面下にギラギラと金色の輝きが見え、そしてロッドから生命感が伝わった。小さいながらもヤマメがミノーをがっぷりと咥えていた。なるべくその魚体に触れないようにしてフックを外し、リリースする。

残り時間は少なくなってきていた。まだ朝の時間だとは言え、そろそろ帰路につかなければならない。釣りができる貴重な時間はあとわずかだった。
分流と油断していたが流れは深く、強い。腰まで浸からねばならない場所も多く、ウェーディングスタッフを頼りに慎重に下る。

前方には瀬から続く水深がある流れの弛みが視界に入った。とっさに頭の中で何処にミノーを通すかをシミュレーションする。こういった場所に出会うと自然とポイントを見据えて、まるでその場所そのものが一匹の獲物であるかのようにじりじりと間合いを詰めてしまう。

長いロッドのティップをしならせてミノーを弾き出し、アシ際に落とす。リップのテンションを感じながら軽くトゥイッチングを加えると、流れの弛みに入って行く。そして…

銀色の魚体が反転したのが見えた。反射的に腕が動いていた。しかしとっさには分からなかった。さっきまでロッドをしならせていたラインの先の魚が居なくなっていたことを。

空しく手元まで戻ってきたアレキサンドラに付けたトレブルフックにはさっき釣ったヤマメの倍はあろうかという鱗が刺さっていた。穂をもたげたアシに囲まれた分流の中で苦笑いをした。



これが昨年の渓流最後の日、岩手で過ごした朝だった。



2010 STREAM TRAVELER

そして再びその領域に足を踏み入れられる季節が巡ってきた。




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by pioneerfield | 2010-03-02 21:25 | travel sketch | Trackback | Comments(2)