2007年 03月 25日
と、雨が降る中、誰が傍にいるわけでもないのに呟いた。本流や他の多くの支流は午前中に上流で降ったらしい集中豪雨のせいで泥濁りになってしまっていた。水源が別のこの里川だけが、なんとか笹濁りの状態を維持しており、それが魚の活性を上げた。 もともとこの川はヤマメの魚影が濃いのだが、雨の降り始めにはところかしこでヤマメがミノーを追った。いかにも出そうなヒラキには必ずといって良いほどヒットがあり、普段は何の反応もないトロリとした流れのプールからも銀色魚体が閃いた。サイズ的には20センチ前後だが、ここまで多くのヤマメがミノーを追うのだから、雨の影響とは何と大きいのだろう。どんなに優れたタックルであろうと、どんなに優れたアングラーのテクニックであろうと、魚に捕食のスイッチを入れる雨には敵わない。自然は偉大である。 しかしどうもヒットは多いが相変わらずバラシも多い。比較的ファットなボディのミノーだから、ハリ掛かりが浅いのかもしれない。あと、ロッドもジェイドミラーでは硬すぎるのか。シングルフックにしてみたが、どうも表層を泳ぎすぎてバイトが減る。トレブルフックの付け方を逆にしてみよう・・・、などと色々と試行錯誤しながら釣り上がっていく。どうやら他の釣り人たちも他の河川に入れないような状態なので、この里川に集結しているような感じだ。これで平日なら、もっと自由に動き回れるのだろうが、大場所には餌釣師が入っているので、ここはルアーでしか攻略できないポイントを叩くべきだ。 水深の浅いヒラキ、瀬を攻めながら、小さいながらもヤマメをキャッチし続けていくと、ちょっとした深みでイワナがヒットしてきた。ヤマメよりもサイズが大きいので、トラディションで掛けると良い感じにロッドがベンドする。里川専用ロッドとして導入しtだけあって、今回は大活躍のロッドだ。 結局一日中雨は降り続いたが、気温も高く、気持ちの良い一日だった。雨が降っているのに気持ちの良い一日とは、おかしな感じもするが、最近は雨が降ることに悦びを隠し得ないのだ。 Tackle Rod:STトラディション TR-55UL Reel:イグジスト2004 Line:スーパートラウトアドバンス5lbs Lure:SKミノー #
by pioneerfield
| 2007-03-25 19:18
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2007年 03月 17日
おそらく、家から最も近いトラウトの聖地はこの芦ノ湖だろう。車を飛ばせば1時間ちょっとで行けるので意外に手頃な場所だ。早朝の西相バイパスを走っていると、箱根の山に暗雲が立ち込めていたが、それはその際気にしないでいた。が、いざ旧道を登り始めると、辺りは雪に覆われた。箱根では今年2番目の降雪だということだが、前回の大荒れの天気といい、今回の天気といい、このメンバーで芦ノ湖に行くのはどうも呪われているのかもしれない。ボートを出して元箱根のポイントへ向かう途中も容赦なく雪は降り続いた。 さて、今回も兄はフライとルアーの二本立て、自分はルアーのみということで、ミノーに加え、スプーンも持参した。とにかく湖のトラウトはあまりやったことがないが、管理釣り場を巨大化したようなものと捉えてエリア用のスプーンを取り揃えてきた。このあたりは今冬の東山道場の経験がものを言いそうだ。 ボート屋の方からは関所前で釣果が出ていると聞いていたのだが、着いたのは箱根神社周辺。何を隠そう、二人とも関所の場所を理解していなかっただけである。他のボートも集まってきているようだし、とりあえずここからスタートすることとした。ミノーでチェックを入れてみたが、どうも反応がないようなので、スプーンでレンジを随時変えながら攻めていく。スプーンのサイズも6gからエリア用の2.5gまで色々試してみる。 すると、2.7gアルフレッドで20秒カウントダウンさせた層で、明確なバイトがあった。魚種はニジマスのようで、ようやく1尾目に辿り着いた。このヒットでヒントを得て、ひたすらエリア用のスプーンで15~20秒の層を狙い撃ちしていく。と、とたんにバイトが出だした。ただし、フッキングに至らないものも多く、掛かってもバラシが多い。魚はほとんど放流されたてらしく、ヒレに傷があるものばかりだ。 そう思っていたところ、兄のロッドにもヒット。意外に良さそうなサイズだが、無事にランディングしてみると35センチほどの体高のあるヒレのピンとしたレインボーだった。そしてこれが本日最大魚となる。午前中は二人で14、5匹はキャッチしただろうか。一旦陸に上がって昼食をとり、再度同ポイントへ午後から向かった。 ところで、この箱根神社の周辺といえば、かつてバスを狙いに来たことが思い出される場所だ。今でも鮮明に覚えているが、中学生の頃に一緒に釣りに行っていた友人が始めてバスを手にしたのがこの場所だった。あの頃は自分の住んでいる周りにバスが生息している場所が本当に無くて、二人してバスは憧れの魚だったわけである。ここで手にした一尾は自分たちにとっては大きな一歩であった。 そんなノスタルジーに浸りながらも、常に意識は水中のスプーンにあるわけで、ヒットするレンジを探りながらキャストを続ける。横の兄は好調で、シルバー/レッド/ブルーのマーシャル4.8g(通称フランス)でバイトが出続けている。しかし午後も同様、バラシが多く、キャッチできたのは数匹だった。そしてそのまま帰港の時間が来て終了。サイズは出なかった上にバラしまくりだったが、二人ともこの悪条件の中でそこそこの数をキャッチできたので、まあ満足のいく結果だった。 秋の結果に比べればまさに天と地の差のようなものだが、そこはさすが解禁後。楽しませてもらえました。あと、芦ノ湖は周りの景色が素晴らしいので、気持ちよく釣りができる場所だ。手の感覚がなくなるほどの雪だったが、雪景色の箱根を見られたということで今回は逆に幸運だったのかもしれない。 Tackle Rod:サーフェストゥイッチャーSiボロン STS-68Si Reel:セルテート2500 Line:アヴァニエギングミルキー0.6号+リーダー3lbs Lure:アルフレッド2.7g,ロールスイマー2.5g他 #
by pioneerfield
| 2007-03-17 23:51
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2007年 03月 11日
雨はしとしとと降る程度で、これならば濁りも出ないだろう。最初は山間の支流へと降りていきロッドを振ろうとしたが、先行者の影があった。渓相としては悪くはなく、魚もライズしているのだが、先行者に叩かれているとあれば、魚を出すのは難しいものだ。早々に切り上げて前回、ヤマメの反応があった本流へと向かった。 晴れていれば間違いなく他の釣り人が入る場所も、今日は姿が見えない。流れが緩くなり、比較的水深のある場所にディープダイバーを潜行させ、遅めのトゥイッチをかけていると、ティップが重くなった。ロールしながら上がってくるのはヤマメだ。サイズは20センチを少し越えるぐらいだが、近頃、本流域ではバラしてばかりだったので、嬉しい一尾である。続けてキャストすると、またしてもヒットするが、今度は慎重にやり取りしていたにもかかわらずバレてしまった。 さて、魚の顔も見たので、今度は支流をゆったりと遡りたくなった。前回の昼に入った支流が近いので、ロッドを変えて川へ下った。ところどころの深みには小さいながらもヤマメの反応があり、何匹かはミノーにヒットしてきた。一通り探ってみたが、どうも欲を出して良いサイズが見たくなってくる。この雨だと昼の時間帯でも本流でもいけるかもしれないので、再び本流に戻ることにした。 入った場所は巨大なトラウトが潜む淵だ。雨が降ったので魚が動くかもしれない。濁り気味の淵の底を見ると、50センチはあろう魚がゆったりと泳いでいるが、どうやら期待通りの結果とはならないようだ。雨はすっかり止んで、快晴となった。魚の活性は落ちるが、雨が上がった後に吹く風が爽快であった。 そろそろ帰る時間にしよう。このあたりの家には梅の木を植える場所が多いのだろうか、所々で白梅の花が真っ盛りで、花びらが風に散るのを見ながら車を走らせた。 3月はどうしてもミノーでの釣りが難しくなってしまうのだが、解禁したばかりとあって、渓魚を手にするだけで満足してしまうところがあるな。さて、次回はかつて参入したゲストとの約束を遵守すべく、あの場所へ再び足を運びたいと思う。 Tackle Rod:サーフェストゥイッチャーSiボロン STS-68Si Reel:イグジスト2506 Line:スーパートラウトアドバンスサイトエディション6lbs Lure:バフェットSD55 #
by pioneerfield
| 2007-03-11 23:05
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2007年 03月 03日
唐突だが、細沢でヤマメやイワナを狙って釣り上がっていくのが結構好きだ。ダイナミックで爽快な本流域の釣りもいいのだが、細沢に入った時の、あの谷底に一人ぽつんと取り残されたような感覚がいいし、水量に似つかわしくない、いかにも尺イワナが出てきそうな淵に遭遇したときの期待感もいい。 その日の午後に入ったのは水量こそ少ないが、ヤマメが豊富な沢だった。午前中は桂川本流のプールで、50センチ近いニジマスのチェイスに小一時間翻弄された挙句、とうとうフックアップさせることができなかったので、気分転換に沢に入ることにしたのだ。昨年の同じぐらいの時期にも確か入った気がする。 その沢沿いには道が通っているので車を上流へと走らせ、川の様子を見ながらどこから開始しようかと考えていたら、うまいことに入渓できそうな橋の傍に駐車ができるスペースがあった。早速準備に取り掛かり、沢へと下る。枯葉が踏み固められていないせいもあって、足もとが滑る。この沢は桂川にありがちな小石交じりの砂岩で構成されており、それらが川底の複雑な地形を作り出している。そのため所々にちょっとした深みがあり、そこがヤマメの着き場となっているのだ。入渓してすぐにこうした深みにあたり、ミノーを通すとさっそく反応があった。10センチ程度の小型のヤマメのようだが、おそらくこの川で育った個体だろう。積極的にミノーを追ってくる。 ちなみにこういった沢を釣り上がる時にはバフェットSD43とツインクル45Sを使用することが多い。比較的活性の高い時期にはツインクルで通すことが多いが、今回は早春ということもあって、バフェットをメインに使用し、さらにレンジを下げるときには蝦夷ディープを使った。ロッドは勿論ST仕様のトラディションだ。 釣りあがってすぐに堰堤があった。このような沢では堰堤下は当然超一級のポイントだ。水が少なく、全体的に浅い川だから、こんな場所に遭遇すると思わずニヤリとしてしまう。ある程度距離をとって、慎重に攻めなければならない。1投目から小型のヤマメのチェイスはあったが、これだけの場所だ。当然このサイズで留まりはしないだろう。何回か角度とレンジを変えて攻め続けると、ロッドに明確なバイトが伝わった。ヒットしたのは20センチ程のヤマメだ。この川にしてはサイズは良い方だ。最近、ニジマスばかり見ていたので、あらためてヤマメを釣り上げると、パーマークや尾鰭の赤いアクセントに思わず見入ってしまう。鰭も傷一つなく、早春の無垢な魚体だ。やはりヤマメは良い。 さらに進んでいくと、砂岩でゴルジュが形成されている場所に差し掛かった。川幅は3メートルに満たないのに、所々に腰以上の水深のある淵があるので、歩くときは注意が必要だ。そこを越えると、さっきと同様に堰堤があった。先ほどはバフェットでのヒットだったが、多少レンジを下げた方がボトムの魚にもアピールできそうなので、蝦夷ディープにチェンジし、しつこく攻め続けていると、トラディションのティップが「コッ」と入った。ヒットしたのは先ほどと同じぐらいのサイズのヤマメで、パーマークもくっきり出た、典型的なヤマメらしい魚体だった。ちなみに今回使ったトラディションはこれぐらいの沢で使うにはもってこいのロッドだ。特にバフェットとの相性が良く、アクションがつけやすいのも気に入った。全体的にTAガイドを付けているが、やはり強度を考えてバットのみYSGにして完成だ。 ここで今日の沢の釣りは終了。本流へと足先を変えたのだった。 ちなみに夕方の本流では3回連続バラシをやってしまった。どうも去年から本流のヤマメとは相性が良くないようである。 Tackle Rod:STトラディションTR55UL Reel:イグジスト2004 Line:スーパートラウトアドバンスサイトエディション5lbs Lure:バフェットSD43、蝦夷ディープ #
by pioneerfield
| 2007-03-03 21:43
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2007年 02月 24日
積雪は無いものの、朝の気温はマイナス4度まで下がり、さらに北風が通り抜けるために体感温度は低くなる一方だ。暗いうちから現地に入り、事前に情報を得ていたポイントの駐車スペースなどを確認しながら夜明けを待つ。 最初は犀川橋の下流からスタート。ディープダイバーでボトムにコンタクトさせながら丁寧にさぐっていくが、思いのほか流れがあり、途中でバランスを崩してしまうため一定してボトムを攻められない。ミノーでは少し厳しい状況なのかもしれない。しかしこんなこともあろうかと、今回はボックスの中にスプーンを忍ばせてある。昨年、芦ノ湖に行く前に準備しておいたものだが、ミノーではコンタクトできないレンジまで攻略できるために今回ばかりは重宝しそうだ。 犀川橋から木戸橋周辺へと場所を変え、ディープダイバーに加えて、使い慣れないスプーンでも流す。ボトムを流すにしても、使い方がいまいち分かっていないのでロッドの角度、リトリーブ、ラインスラックの扱い方など、色々と試してみることが必要だ。最終的にはヒットさせないと、どの流し方が正解なのかは分からないが、これまでの冬の管理釣り場で培った経験と勘で最も良さそうなリトリーブを試していく。 木戸橋周辺でも魚の反応はなかった。駐車スペースに戻る途中、地元の人に挨拶すると、犀川橋の上流付近で放流していたとの情報が得られた。その情報を頼りきるわけではないが、初めて訪れる河川であるし、一通り色々なポイントを見てみるのも悪くはない。この犀川は便利なことに川沿いに道が走っているところが多いので、適当な場所で車を停めて川面を眺めると、瀬から続いて緩く、トロっとした流れに遭遇した。 朝の状況を見る限りでは、魚はこのような緩い流れに定位しているのかもしれない。スプーンを対岸の少し上流にキャストし、ボトムまで沈めた後にラインスラックを回収し、リトリーブをせずに下流まで流心を横切らせながら流していく。すると、流しはじめでロッドティップが持っていかれる感触があたった。とっさにフッキングすると、テンションが抜けた。今のは間違いなく魚の反応だった。うなだれている暇などなく、次のキャストに移るが、同じ場所でのバイトはなかった。 貴重なバイトを逃してしまったことに悔しさを覚えながらも、使い慣れないスプーンの流し方が正解だったことに自信を持ち、少し上流で再開。そして早速、着水後の巻き始めでヒットした。今度はがっちりと口に掛かっているようだ。ジャンプを繰り返すのを見ると、どうやらレインボーらしい。川での久しぶりの魚とのファイトを楽しみ、記念すべき犀川での一尾目をコンクルージョンでランディングすると、ジャスト40センチといったところだった。放流魚らしく、ヒレが傷ついていたが、初めて訪れた川で手にした一尾は貴重だ。写真を撮って手早くリリースすると、背びれを出しながら流れに帰っていった。 さて、昼ごろになって、車でさらに色々と回ってみることにした。ロッドは出さなかったが、下流のダムよりさらに下には盛期には良さそうな瀬が続いており、ダイナミックな渓相を見せている。良いシーズンに再び訪れたい所だ。 一通り回ってみた後、夕刻も近づいてきたため、ヒットがあったポイントの下流部に入ることにした。ここも同様に瀬から続いて流れが緩くなる。今日はスプーンを徹底して使ってみたい。これはこれで使い慣れてくると面白いもので、トレースコースを計算に入れながら流したりと、工夫が必要だ。ミノーと同様、流心を切ってU字の描き始めでのヒットをイメージしていると、実際にヒットしてきた。サイズは30センチを少し越えるぐらいだが、ここの魚は、強い。 日が暮れると気温は再び氷点下へと下がり始めた。さっき魚をランディングしたときに濡れたネットが凍り始め、寒さも限界に来ていたのでこの辺りで終了となった。川から上がるときにすれ違ったアングラーに、釣果を知らせると、「おめでとうございます」という言葉を貰った。他のアングラーもみんな厳しい釣果だったのだろうか。ともあれ、今年の旅のスタートはこんな感じだ。来週からは全国の多くの河川が解禁となる。この国ではほとんどの河川が半年という限られた期間しか開放されていない。その期間を存分に楽しもうではないか。 Tackle Rod:サーフェストゥイッチャーSiボロン STS-77Si Reel:イグジスト2506 Line:スーパートラウトアドバンスサイトエディション6lbs Lure:バックス5g #
by pioneerfield
| 2007-02-24 23:59
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