人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2011年 09月 18日

秋ヤマメ旅は続く

秋ヤマメ旅は続く_d0000101_21192717.jpg


記憶の中にいつまでも残るような一尾がいる。
流れの中に放った後も、いつまでも余韻が残る一尾がいる。

先日の旅の最後に手にしたヤマメはそんな魚だった。
あんなヤマメを育む本流が岩手に流れている。
その川の存在を知っておきながら、次の週末に行かないという選択肢は無いんじゃないか?

思うんだ。たとえ片道7時間半の道程で、雨の予報だったとしても、
「行かない」という選択は、可能性の幅を自ら狭めているのではないか、と。
長時間を掛けて辿り着いたからといって、必ずしも釣れるという確証はないけれど、
釣りができる状況ならば、少なくともそこへ行ってみる価値はある。


雨の予報だったけれど、降り始めが遅くなっているらしかった。
先週よりも水位は下がっており、ほぼ平水に近いようだ。濁りも取れて、クリアな水が流れている。
しかし朝マズメから釣果は乏しく、20センチに満たないヤマメが1尾掛かっただけだった。
深夜の高速を寝ずに走ってきたので眠い。
このまま釣りを続けていても集中力が続かないので、車の中で仮眠を取った。

起きると午後2時を回っている。いよいよ雨も降ってきそうだ。
本流でも川幅の狭い区間に入る。
川に下りると雨が降り始め、既に霧がたち込めてはじめてきている。
岩盤に流心が当たり、砂が掘れている場所。ほぼクロスストリームにミノーをキャストして
何回かトゥイッチを掛けた直後、ヤマメが食った。

秋ヤマメ旅は続く_d0000101_21194993.jpg



秋ヤマメ旅は続く_d0000101_212078.jpg



秋ヤマメ旅は続く_d0000101_21202983.jpg



秋ヤマメ旅は続く_d0000101_21204857.jpg


鮮やかな赤色を纏った雄、33センチ。
ヤマメという魚が最期に放つ輝きの色。
こんなヤマメが、やはりこの川には居た。


その夜はずっと雨が降り、朝には止んだ。
本流は案の定濁りが入ってきたので、水が回復しそうな夕方に入るとして、支流へ。

秋ヤマメ旅は続く_d0000101_2121251.jpg


水量が多くて遡行が困難な場所もあるけれど、流れの緩い場所を中心に流していく。
20センチぐらいのヤマメを手にしたところで遡行を止めて、川から上がる。

秋ヤマメ旅は続く_d0000101_21214327.jpg



秋ヤマメ旅は続く_d0000101_21215731.jpg


気温はまだ少し高いときもあるけれど、季節はすっかり秋になっている。
水辺を飛ぶトンボも鮮やかな赤だし、ススキも穂をもたげている。

夕方になってもまだ完全に濁りは収まっていないけれど、本流へ入っていく。
ミノーをじっくり見せるためにダウンクロスで釣り下る。

秋ヤマメ旅は続く_d0000101_21221816.jpg


これは9寸弱。カバーの下に潜んでいたらしく、この川の魚としては黒っぽい。

この区間は2年前から気になっている場所だ。
一昨年、去年と、何度か良さそうな魚のバイトを逃しているが、まだ良いヤマメは手にできていない。

陽はもうすぐ山の陰に隠れようとしている。
早瀬から続く水深のある瀬尻にミノーが差し掛かったとき、ティップが押さえ込まれ、水面でヤマメが反転した。

秋ヤマメ旅は続く_d0000101_21223856.jpg


30.5センチの雄。今回の秋ヤマメ旅の最後に手にした尺上。
目で見るそのままの色を写真に残せないのが残念で仕方ない。

けれど、こんなに素晴らしいヤマメが釣れる川がここにある。
それだから、遠く長い道程も苦ではない。


Tackle
Rod:エキスパートカスタムボロンEXC-510ULX
Reel:カーディナル3
Line:スーパートラウトアドバンスVEP5lbs
Lure:アレキサンドラ50HW

by pioneerfield | 2011-09-18 23:35 | travel sketch


<< 再生する川      九月の疾走、秋ヤマメ旅へ。 >>