2005年 09月 21日

再来の川

d0000101_2295917.jpg 9月も半ばを過ぎ、川に行けるのもあと1回か2回で最後となりそうだった。もうそろそろ終わりにしてもいいんじゃないか?禁漁前日の30日まで10日ほど残しながら、気持ちでは今回が最終釣行を決め込んでの出発だった。
 振りかえれば昨年の最終釣行では、夕方、最後に放ったミノーに30センチを裕に越える大ヤマメが食らいつき、出来過ぎたシーズンの幕切れとなったことが思い出される。今年も心の底ではビッグフィッシュに期待を馳せながら、とりあえず最後は楽しめる釣行であろうと考えていた。
 さて、涼しくなった空気から秋の進行を感じつつ、いつも通りの道順で車を走らせながらポイントに到着。毎回の恒例となっている本流ポイントである。初夏の雨の日に尺アマゴをキャッチしたポイントをシーズン最後だけに丁寧に攻めるが、飛び出してくるのは20cm弱のヤマメばかり。他にも前回探ったポイントを流して行くが、小型のチェイスばかりだった。まあ最近の釣行でもここの本流エリアは大した釣果は出ていない。気分を変えるつもりで本流に流れ込んでいる小支流を遡ると、小さな落ち込みの下にヤマメはいた。しかも本流にいる奴らよりもサイズが良い。ヒットに持ちこむことはできなかったが、考え方のヒントにはなった。
 まだまだ時間に余裕はあるが、今回は本流をきっぱり切り上げて、別の支流を攻めてみることにした。この支流は昨年のシーズン最後に訪れた川でもある。今年始めに行われていた工事が終了している様子なので、去年の記憶と照らし合わせながら釣っていくが、工事が行われていた区間ではイワナのチェイスが一回あっただけであった。今度はさらにその川に流れ込む支流をブッシュを掻き分けながら上って行くと、途中でレインボーと25cmのヤマメをキャッチすることができた。合流点に戻って来て、今年に入って足を踏み入れなかった上流のことを考えていた。ここで、今年も最後はこの川で終わろうと決めた。
d0000101_22104792.jpg ボサ川との合流点から上流。昨年は初めて尺ヤマメのチェイスを目にしたが、その他は全くと言って良いほど駄目だった。川は細く、釣り人もあまり入らない代わりに放流もされていないといった区間なのである。ロッドもいつもなら短くライトなものに変えて入るのだが、今回は本流で使っている6.8フィートで釣り上がって行った。ブロックが敷き詰められた瀬が見え始めると、アップストリームでミノーを流す。と、ヤマメがチェイスしてきた。魚は結構残っているのかもしれない。続いて二投目。上流から流れてくるミノーに茶色い影が追尾し、ミノーを咥えこむのが目視できた。ヒットしたのはヤマメではなく、ブルックだ。しかも確実に尺は越えている。本流からそのまま持ってきた38センチ枠のネットが効を奏し、無事にランディングすることができた。写真を撮ってサイズを計ってみると、ブルックでは自己最高の35センチであった。最終釣行だし、このサイズがキャッチできれば心置きなくシーズンを終われるな、と考えていた。
d0000101_22114430.jpg そして再び遡行を続ける。しかしそこから上流は小さなヤマメをキャッチしたのみで、渓相は良いのにチェイスすら見られなくなっていった。前方にチャラ瀬が続く場所が見えた時、そこから先へ進むのが無駄のように思えて、もと来た川づたいに引き返すことにした。結構上ってきたので下流に停めてある車まではちょっとした距離になるが、その途中、ブッシュの間から沢水が流れ込んでいる場所に辿りついた。上っていく時は攻めずに通過したのだが、沢を上ったすぐそこには小さな堰堤がある。そのまま通過しようかとも思ったが、何か予感めいたものがあったのかもしれない。なんとなく足が向き、堰堤の前まで来ると、水は白く濁っていたがある程度の水深はありそうな堰であった。白泡にシャローランナーのミノーを投げ、足元まで流しても反応は無い。しかしその時、自分の立っている右側にあるシェードから、ニジマスらしき魚がライズした。どうやら魚はいるようだ。ルアーをヘビーウェイトのシンキングミノーに変えてボトム近くを探ると、ミノーをピックアップする手前で先ほどライズした魚がヒットしてきた。しかし、フロントフックが外れてしまったのか、リアのフック一本が背中に掛かった状態になってしまう。背掛かりはとにかく走る。サイズは35センチほどありそうな赤黒いニジマスらしき魚に左右に走られながら、小さな堰堤でやりとりをする羽目になってしまった。ところが、魚が弱りかけて魚体を見た瞬間、それがニジマスではないことが分かった。赤黒い輝きを発していたのは雄のヤマメの体に出る婚姻色だったのだ。フックは一本しか掛かっていないのでここで焦ってしまってはランディングに持ちこむことはできない。慎重に寄せてからネットで一発で掬い上げた。
d0000101_22124390.jpg 震える足で沢を下り、小砂利の河原で改めて見てみると、昨年最後に手にしたヤマメに匹敵する魚体だった。サイズを計ると36センチと、自己のレコードに1㎝満たなかったが、曲がりかけた鼻と体側に赤い婚姻色を纏い、猛々しい雄の表情は同様だった。最後を飾るには申し分無い魚であった。
 魚を流れに帰し、時間を見ると正午を30分過ぎていた。ここで止めて帰っても良いのだが、せっかく訪れた川なので続けることに。再び別のエリアから入渓し釣り上がっていくと、小さいながらもレインボーとヤマメ、アマゴが積極的にルアーを追った。このエリアも今年に入って初めて入る流れであり、他の釣り人もあまり攻めることはないのだろう。ボサに覆われた場所もあり、ルアーだけが攻められる場所も少なくない。2時間ほど釣り上がると、細く長いプールに流れ込む場所まで来た。下流から距離をとってアプローチしていくと、すぐにヤマメの反応があった。やはりこういった場所には確実に魚が居る。d0000101_22133259.jpg何投かして上流に進みながら流れの中に直接ミノーを投入し、トゥイッチを加えながらドリフトさせてくると、途中でロッドティップがひったくられるのと同時に水面が盛り上がった。すかさず巻き合わせを食らわせるとフッキング成功。慎重に寄せてくると良いサイズのヤマメだ。落ち着いて背中のランディングネットを外し、ヤマメを掬い上げた。
 先ほどのサイズまでは行かないものの、尺を越える迫力の魚だ。キャッチしたのはパーマークがうっすら残り、婚姻色がやや浮き出た雌だった。34cmのサイズもさることながら、体高の高さが目を引く魚体である。これほどのヤマメが細い流れの中にいるとは・・・。
 こうして今シーズンのフィナーレは再来の川で過ぎて行く。しかしそれはかつてのシーンの再来であったのかもしれない。夕刻が近づき、川を上がると雨が降りだした。これから間もなく川は閉じられ、半年間の禁漁を迎える。山々が雨に煙る中、再び訪れることを思い、帰路についた。

d0000101_22135755.jpgTackle
Rod:サーフェイストゥイッチャーボロンSTS-68Si
Reel:TD-X2500iA
Line:リバージR-18NL 5lbs
Lure:ツインクルTWS45, TWS60, Dコンタクト63

by pioneerfield | 2005-09-21 23:13 | travel sketch | Trackback | Comments(0)
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