2006年 07月 15日

夕闇

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夕闇に包まれつつある渓谷に一人、竿を振り続ける。濁った水の中、一匹、また一匹と次々と淵から現れてはミノーを襲うイワナたちはまるで釣り人を谷の奥へ奥へといざなっているようであった。

その淵に行き着くまでには少し時間がかかる。

家を深夜0時に出発したにもかかわらず、関越自動車道の事故の影響で川越までの国道で大渋滞に巻き込まれ、何とか抜け道を探しながら川越インターから高速に乗り、魚野川に着いたときには夜が明け始めていた。

天気は朝方は良かったものの、そのうち雨と雷が激しくなってきた。少しぐらいの雨ならば、逆に魚の活性は高く保たれるので好都合だ。案の定、降り始めにはヤマメが良く追ったが、雨脚が強くなると同時に川は増水し、濁りが増してくると魚の影すら見えなくなった。

こうなってしまうと釣りの中断を余儀なくされる。この雨だったらどこへ行っても同じような感じだろう。丁度昼の時間なので少し車の中で寝に入った。どうやらここら一帯には大雨洪水警報が発令されているらしい。このまま午後まで降れば負けを認めて帰るしかないだろう。



d0000101_239813.jpg目が覚めると、雨は既に上がっていた。しかし近くの山にはぶ厚い雲がかかっていて、今にも降ってきそうな感じだ。川を見てみると、魚野川本流はもちろん、支流でさえも茶色い泥の濁りが入っていた。濁りがきつすぎる・・・。とにかく釣りができる場所を探さねばならない。沢に入っていけば幾分回復も早いはずだ。支流をカーナビで探しながら車を走らせると、支流のそのまた支流にたどり着いた。

濁りは抜け切れていないが、これぐらいなら釣りはできるはずだ。鹿留川で濁りの中釣ったイワナのことが思い出され、ひとまず合流点から釣り上がっていった。予想以上に水量がある川で、堰堤下で20センチを超えるイワナが出た。やはり濁りの中でも魚は食ってくる。堰堤を越えてもイワナは出た。それどころか奥に入るにつれて魚影が濃くなってきている感がある。

そして辿り着いたのがこの淵だった。キャストしたミノーをイワナが追った。目測だけでも尺はあるイワナだ。



d0000101_239234.jpg次のキャストで根掛りのようなバイト。今まで釣ってきたのとは少し違うサイズだ。やり取りに時間をかけながら慎重に寄せ、砂地を利用してランディングすると、30センチには少し及ばないが、体高ある魚体だった。

続けてキャストするとチェイスは続く。まるでこの淵のありとあらゆるイワナが、投げるミノーにチェイスしてきている感じだ。



d0000101_2394240.jpgいい加減数匹掛けるとチェイスも減ってきた。ここでようやくルアーチェンジし、一投目には再びイワナが追う。そして二投目で先ほどと同じような根掛りのようなバイトとともに上がってきたのは尺を超えるサイズだった。

辺りは薄暗くなってきている。時間を見ると既に5時をまわっていた。このままこの淵の先へ進みたい。奥へ奥へと入っていけば、もっと凄い場所があるかもしれない。そうは思いながらも、淵から次々と現れるイワナたちがまるで夕刻の峪に迫る闇の中に釣人を迷い込ませようとしているような気がして、少しぞっとした。

一旦、ルアーへの反応が無くなったのを機に、帰途につく。今上がれば明るいうちに車には戻れるだろう。車に戻ると、再び雨が降り出してきた。そしてその雨は警報どおりの土砂降りの雨となって、止むことはなかった。




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Tackle
Rod:ストリームトゥイッチャーボロン
Reel:イグジスト2004
Line:スーパートラウトアドバンスサイトエディション5lbs
Lure:タックルハウス・バフェットSD43, スカジットデザインズ・ソリッドテールディープ, ノースクラフト・ジュリア

by pioneerfield | 2006-07-15 23:25 | travel sketch | Trackback | Comments(2)
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Commented by 爆釣人 at 2006-07-17 16:30 x
良い雰囲気の川相ですね!出てくる魚も文句なし!なかなかナイスなスポットを発見したようですね。目指す魚を出すまでの開拓の道のりは楽しいもんですなぁ。
Commented by pioneerfield at 2006-07-17 21:17 x
今回の釣りは午前中、ピンチに陥っていました。突然の大雨で川が濁り始め、釣りしている時間よりも川の様子を見ながら移動している時間のほうが多かった気がします。
何とか釣りのできる川でしたが、支流といえどもやはり魚野川はポテンシャルが高いですね。こんな川が地元にも欲しい・・・。


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